両国の花火

毎年7月最終土曜日に行われていた両国の花火は
関東大震災の影響で一か月遅れの8月27日に
催された。昔から江戸っ子に愛された両国の花火は
今では両国より川の上流の隅田公園辺りに移ったが
それでも街ゆく人にはビルの谷間からしか見えない。
交通規制で隅田川に架かる橋の上からそぞろ歩きで
人波に揉まれながらの観賞は花火を見るより浴衣や
団扇の夏の風物詩を楽しむ一大イベントなのだろう。
「夏の涼みは両国の 出船入船屋形船 上がる流星星下り 玉屋が取り持つ縁かいな」
江戸両国の花火は八代将軍・吉宗の時代からとされるが、当時はせいぜい30発位で
間が空きすぎるので、その間は真っ暗で男女の仲を取り持つのに良かったと謡われた。
昔とは風情は違っても伝統の行事は変わらず今年は震災・津波の鎮魂の花火にしたい。