隠居の独り言(1012)

みなさま明けましておめでとうございます。今年は閏年でいつもの年より一日得した
気になるが歳を重ねると日々が愛おしく一日でも多く体験できると思うだけで嬉しい。
「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」一休が詠ったとされるが
人は桜の花が舞い散る様を見て足を止めその美しさの反面に世の儚さを感じたりする。
それは人の一生の儚いことを悟るようだが桜の花は散っても大樹は新緑に衣替えして
四季を巡り冬樹を通し来春には再び花の宴をするが人の肉体は枯れれば再び甦らない。
人生の四季はたった一回きり!改めて生きる喜びと意義を大切にしたいと痛感する。
さて正月恒例の楽しみの一つは箱根駅伝で普段はあまり見ないTVやワンセグから
目が離せない。選ばれた20数校の大学の名誉を担って死闘を繰りひろげる選手達の
頑張りに理屈を通り越した感動が胸を打つ。初日の往路は読売新聞社前から箱根の
関所まで、翌日は箱根からそれぞれ5人ずつが襷を手渡しながら走り抜いていくが
何といってもハイライトは小田原から箱根の関所まで往路の第5区だろう。実際に
ここは最重要区間で自動車で走っても恐ろしくなるような急坂を人間とも思えない
スピードで駆け上がる強靭な天才的選手が何年かに一度は出てくる。ここ数年来は
東洋大柏原竜二箱根駅伝屈指のスターだ。今年は東洋大が圧倒的な勝利なので
柏原のゴボウ抜きが見られなかったが彼の出身地の福島の田舎の底力を見るような
親近感で本当に良かった。駅伝の最も感動する場面は襷を次の走者に渡した直後に
倒れたり抱きかかえられた姿で名誉のため全てを出し切った彼らは余りにも美しい。
人生のドラマは駅伝に似ている。数々の峠やアクシデントを越え、ひたすらに走る。
それはどうすれば健康で走ってゴールに達するか?どうすれば生活のクオリティを
良質に保つことができるか?今年も生きる目標に向かって走り続けたいと願っている。
今年もどうぞ、よろしく