隠居の独り言(1013)

大河ドラマ平清盛」が始まった。世にいう源平の合戦の物語なので面白そうだ。
生きると云うのは厄介なもので誰もが欲望のために人の上に立ちたがり、やがて
強いものが階層を作り身分制度が出来ていく。古今東西おしなべて人間の闘争は
弱肉強食が当たり前であり、その掟が設けられた。侍が威張っていた江戸時代は
士農工商の身分だが、遡ること1000年前の平安時代の武士の地位は各々貴族の
用心棒に過ぎず番犬のような役目だった。その番犬が腐敗した貴族達に替わって
国家を治めていくまでに出世するまでの過程を綴った「平家物語」のドラマだが
案外に歴史家もその辺りの歴史観はそれぞれで知られていない部分が多いと思う。
したがって数々の「平家物語」が存在しても今になっては真実の解明は不可能だ。
それにしても「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり」という有名な出だしは
どの作品も変わらず、それだけに今回の大河の「平清盛」に寄せる期待が大きい。
12世紀初頭の京都では300年の平安を誇った貴族の世も乱れ武家平氏の嫡男の
平忠盛中井貴一)も朝廷の命令のまま盗賊などの捕縛を行う仕事を行っていた。
ある日、忠盛は物乞い姿のひとりの女性と出会う。その女・舞子(吹石一恵)は
御所に出入りする白拍子で権力者の白河法皇伊東四朗)の子を身籠っていた。
不吉な子として殺されることを恐れ逃げてきた舞子を平忠盛は追っ手の源氏方の
源為義小日向文世)の追求を逃れ自らのもとに匿う。忠盛の家の納屋で舞子は
赤子を産み落とす。その赤子が後の平清盛であった。人を斬る仕事に疲れていた
忠盛と舞子は、やがて心を通い合わせるようになる。物語では清盛が白河法皇
隠し子とされているが自分が習得した歴史書や小説には史実に無く真偽のほどは
分らないがドラマの展開としては面白いだろう。大河の楽しみの一つにしている。