隠居の独り言(1015)

日本の現在の皇室は国家の象徴的存在であるが過去を遡れば2000年以上前の
神武天皇以来900年前の平安時代までは実際に国を治めていたのは天皇だった。
当時は政治を司る天皇を助けたのは貴族達で今の政府にあたる朝廷を組織して
日本を治めていた。平安時代は300年続いたが後期にもなると政権は腐敗して
貴族は汚職まみれで治安も悪化の一途を辿り地方は中央の権威も届かなくなる。
地方の豪族は力のある者が人々や土地を治め下剋上無政府状態になっていた。
中央からの目の届かぬ遠方の自然発生的な武士達の台頭といえるかもしれない。
政権も天皇の位を退位して再び天皇に代わり政治を行うようになる二元政治の
院政をした白河法皇伊東四朗)は中央の権威を元に戻そうと考えただろうが
却って政治を難しくしてしまう。力量を伴わない権威ばかりを振りかざしての
貴族たちにはやがて人心が離れていくのは仕方のないことで今まで犬のように
扱ってきた武士が貴族を超えるのは歴史の必然だろう。ところで今年の大河の
視聴率はNHK大河ドラマ始まって以来の最低水準で評判が良くないという。
昨年の「江」も良くなかったがありえないフィクションが多すぎるのも一因だ。
今回も白河法皇が愛妾だった白拍子の舞子を殺す場面は法皇という位の人物を
例えフィクションといえ皇室を冒涜するものであり作家は何を考えているのか?
まして公共放送NHKが歴史ドラマとして放映するのは日本人として解せない!
ドラマは成長した平太(松山ケンイチ)は二人の父を持つという定めを知って
何者でもない自分に苛立ち自暴自棄になって賭場などをうろつきまわっていた。
人々は平氏の嫡男をいつの頃からか「無頼の高平太」と呼ぶようになっていた。
育ての父である平忠盛中井貴一)は血の繋がらない平太を嫡男とすることで
弟の忠正(豊原功補)と常に対立する。そんな折、法皇が出した殺生禁断令に
逆らったとして平太が兄弟のように慕う瀬戸内海の漁師の鱸丸(上川隆也)の
父・滝次(河原崎建三)が捕らえられる。