隠居の独り言(1022)

視聴率がイマイチのNHK大河ドラマ平清盛」に兵庫県井戸敏三知事が
イチャモンをつけた。「画面が汚い」「瀬戸内の真っ青な海の色が出ていない」
清盛は神戸に福原京をつくった兵庫県にゆかりの人物なのでドラマで名所を
きれいに撮ってもらって観光客を増やそうという魂胆がはずれたのだろうが
埃の舞い散る演出は好評だった前回の「竜馬伝」の柳の下の泥鰌を狙ったか?
知事発言に対して批判が1000件もあったという。「時代考証の演出がいい」
「県の観光PRのために作られたものでない」この手の騒動は害なく面白い。
大河ドラマは時代によって地方の紹介も多く観光業には宣伝効果抜群だろう。
そもそも時代劇は殆どがフィクションなので互いの意見も正解はあり得ない。
話題の俎上に乗るだけでも演出家など携わった人の仕事冥利に尽きるのでは・・
でも今回は前回の上野樹里の「江」や3回前の宮崎あおいの「篤姫」などの
戦国・幕末の紙芝居的なドラマより遥かに質実ともに迫力あっていいと思う。
でもドラマの平安時代は古代から中世にかけての古い物語なので、よほどの
歴史好きでないと時代背景や事の顛末が理解できず単に人気の高い役者達を
揃えても視聴率の高さは期待できないだろう。そこは歴史考証に捉われずに
身分制度の在り方、言葉遣い等、もっと分かり易く放映しないと飽きられる。
平安末期の閉塞感は今の日本に似ているが既成社会を崩しビジョンをもって
武士の世に導いた平清盛は秀でたリーダー出現が求められる現代日本にこそ
最も知りたい人物と思う。そのスケールの大きい清盛を上手く伝えて欲しい。
大河ドラマ平清盛」5回目は瀬戸内の海賊討伐には源氏を推挙する摂関家
藤原忠実を尻目に鳥羽院は重用する平忠盛中井貴一)に海賊追討を命じる。
清盛(松山ケンイチ)を跡継ぎに考えている忠盛は忠正の反対を押し切って
清盛に討伐へ加わるよう命じる。出陣した一行は鱸丸(上川隆也)をめぐり
清盛と忠正が口論になるなどして足並みが乱れるが何とか安芸の海に到着し
討伐に出発する。そんな清盛たちを待ち受けていたのは強力な海賊だった。