隠居の独り言(1041)

春休みに入るとき学校の先生は「休み中に早寝早起きの習慣を付けましょう」と
話されたそうだが、聞いた子供たちにどれほど通じたかは、はなはだ心もとない。
昔、電気の無かったころは日の出とともに起床し日暮れとともに一日が終わった。
夜の時間が長くなったのは文明のおかげだ。帰宅する通勤の時間帯の9時頃でも
電車は超満員で9時10時では宵のうちの感覚になっている。宵っ張りの朝寝坊は
現代人の常識で知らず知らずのうちに自然に逆らった生き方をするようになった。
いくら春眠暁を覚えずといってもこれでいいわけがない。本来なら歳を取ったら
朝早く目覚める人が多いが自分は生来の怠け者なのか7時ころまで目が覚めない。
たまに朝早く起きると夜までもたない。そこで昼寝をする。幼稚園児と変わらない。
近くの隅田公園のひる時は、駐車するタクシーの列で運転手が昼寝をしているのを
多く見かけるが何となく親近感を覚えてしまう。本来は駐車違反の場所なのだが・・
通勤電車の中でも、ぐっすり熟睡している人がいる。なかにはポカンと口を開けて
気持ちよさそうに・・でも心配なのはこの人が到着地までに目が覚めるのだろうか?
世の中は疲れている人がとても多い。特に若者が多いのは夜遊びが過ぎるのだろう。
見ていると若い日の夜遅い残業や遊びの徹夜麻雀などあって眠れる若さが羨ましい。
昼寝は怠け者のようであまり口外はしたくないが何かで聞かれればシエスタという。
シエスタスペイン語で昼寝の意味だが人聞きがいい。分かる人も分からない人も
気持ち良く聞き流してくれる。新聞の報道によると昼間の15分程度のシエスタ
心身共に良いらしく東京の或る学校では昼休みに全校生徒にシエスタを取り入れて
学業の成績も上がっているという。周知の通り健康の基本は食事、運動、睡眠だが
食事、運動は意識しても睡眠は日々の都合や体の調子でうまくとれない場合も多い。
ときどきのシエスタは欠かせない。