隠居の独り言(1063)

先日閣議決定された「子ども・子育て白書」によると2010年時点での50歳までに
一度も結婚したことない生涯未婚率が男性で20,1%。女性では10,6%と過去最高だ。
今年は不景気だからもっと増えているだろう。30年前と比べると男は約8倍になり、
女は約2倍に増えているというから男は5人に1人、女は9人に1人の割合になる。
このまま人口動態が進めば200年後には日本人が絶滅するそうだがそれは数字の話。
少子高齢化が加速度を増して進んでいる状況は周知の通りだが慌てた政府の音頭で
各市町村役場が男女の出会いの場を提供して仲介しようと婚活をしているそうだが
私見を言わせてもらえば男女がセットされた出会いは単に話し相手が増えるだけで
結婚に到達する確率は少ないのではと考える。恋愛によって結婚した人は別にして
少し前までのいわゆるお見合い結婚は互いの人物、家柄、財産、収入、学歴等々の
つりあいを見極めたうえで仲人さんが話を持ちかけ本人も親や年上の意見を尊重し
決めたものだった。したがって大きなハズレも無く見合い相手と生涯全うした人が
大部分を占めた。中には挙式の日まで相手の顔も見なかったカップルもいたらしい。
そんな昔の結婚のしきたりの知恵と先輩たちを信じた夫婦ほど仲が良い記録もある。
今の合コンの集団見合いは一見良さそうでも瞬間的な好みのフィーリングが優先し
将来を見据えた生活の基本を忘れてはいないか?むろん二人の相性が最重要だが・・
そもそも日本人には恋愛結婚は不向きと思われるのは欧米人のように性欲が絶大で
狩猟民族の子孫として狙った獲物に直ちに衝動を起こすような性格に出来ていない。
カップルは公衆の面前で平気でキスをするし年老いた夫婦も腕を組んで歩いている。
恥ずかしながら自分もそうだった。好きな女性はいつもいたが行動に移れないのは
相手の立場をみて躊躇してしまう男のプライドが恋に関してはマイナス要因だろう。
艶っぽい事が好きなくせに行動できない日本人には見合い結婚のほうが合っている。
因みに自分も見合い結婚だったが6回の回数を経て今のヤマノカミと所帯を持てた。
事情で会えなかった1回を除いて結果は1勝4敗1分け、でも結果は良しとしよう。
女性の社会進出が顕著になり恋愛観、家族観、人生観など大きく変貌した現代では
昔の習慣には戻れないにしても求め合う男と女の感情は人間である以上変わらない。
男も女ももっと積極的になれ、といいたいが日本人の美徳は捨ててはいけない。