隠居の独り言(1068)

自分は小遣い程度の株投資をしているが最近のユーロ安に始まる世界的株安は
新聞の株式欄を見るのも憂鬱になる。同時に戦後の日本の経済を牽引してきた
家電メーカーが巨額の赤字を計上したことは物づくり日本の転落の序奏なのか?
自分はSONY保有しているが会社の成長期には毎年のように新株無償発行で
嬉しい思いもしたが新しいアイディアの象徴的存在だったSONYが、いつしか
お家芸の技術開発は後輩のAPPLESAMSUNGの後塵を踏むようになった。
今月4日に株価は遂に1000円を割った。かつて絶好期には3万円以上を誇った
輝かしい時代からは想像も付かない下落ぶりに愕然を通り越して言葉を無くす。
「過去は何の価値もない。将来のみが価値がある。現在は将来のために使う」
これはSONYの創業者・盛田昭夫の言葉だが、会社も人間も心すべしと考える。
盛田はAPPLEジョブズSONYの宝を攫ったのを見届ける術はなかったが
してやられたと草葉の陰で悔しがっているだろう。でも栄枯盛衰は世の習い・・
今更だがSONYは1946年に資本金19万円、従業員約20人でスタートしたが
今や資本金6309 億円、従業員数16万8千、ブランド力も世界トップクラスで
扱う商品はエレクトロニクスからゲーム、エンターテインメント、金融、等だが
やみくもに拡大路線を取るのはいかがなものか?SONYはメタボになりすぎた。
数十年も前に株投資を始めた頃よりSONYを買い家庭内の電気製品もSONY
主体に求めた根っからのSONYファンだったが2005年になって会長兼CEOに
アメリカ人ストリンガーが就任して年俸10億円報酬を得たことに憤りを感じる。
立て直しのため入ったCEOにしても社員の一人であり日本の風潮にそぐわない。
SONYは日本の会社であり、創業者の井深大盛田昭夫は切歯扼腕の思いだろう。
株式投資とは企業の未来を買うことであって斬新さを忘れたSONYに魅力を失う。
SONYの原点の精神は忘れたのか?道に迷ったときこそ原点回帰に戻って欲しい。
さて塩漬けのSONY株も手放す時がきたのか?糟糠の妻と別れるより辛い。