隠居の独り言(1071)

ロシアのメドベージェフ首相が北方領土国後島を訪問したという。そのうえで
北方四島はロシアの固有の領土であり一寸たりとも譲りはしない」と言明した。
ロシアは日本のみならず他国への強硬な恫喝外交は年中行事で今更動揺もないが
弱小国を傷つけて世界中の嫌われものになっているのを気付かないのだろうか?
世界一の広大な領土を持ち、それに加えて不法に占拠している小さな北方領土
正義感に溢れた自国の誇りと量りに掛けたことがあるだろうか?北方領土問題は
いつまでたってもらちがあかない。千島に関しては明治8年樺太千島交換条約で
平和裏に結ばれた条約で樺太はロシア、千島列島は日本と分かり易い内容だった。
それ以降の動きは全てが戦争がらみの奪い合いで日露戦争後のポーツマス条約で
樺太の北緯50度が日本領となったが先の大戦終戦6日前の1945年8月9日に
突然日ソ中立条約を破って何とポツダム宣言を受諾した15日以降に千島を奪った。
まさに火事場泥棒であり正式に降伏した後日に攻撃したのは戦争犯罪そのものだ!
先の戦争を終結するためのサンフランシス講和条約は米軍占領下で日本の正統な
主張は通らず千島列島を放棄させられた。戦争による占領は一時的なものという
現代の国際常識に立ってアメリカは1968年に小笠原、1972年に沖縄返還したが
ロシアには良識のカケラも無い。歴史を顧みれば樺太千島は日本人の土地だった。
百歩譲って江戸時代の日露和親条約でも北方領土は日本の土地であるはずなのに
泥棒ロシアに聞く耳が無い。ロシア人に誠意とか良識という国家間の信頼関係が
築けないのは彼らの特性だろう。普通の国なら条約を守るのにロシアは破るのが
常でヨーロッパ諸国や中国なども何度煮え湯を飲まされたか歴史が証明している。
かつて戦後の日本もロシアには政経不可分を主張した。政治的問題として領土の
解決なしには経済協力も応じないとの原則だ。戦争を経験した政治家も経済界も
気骨のある人が多かった。しかし今は完全に崩れている。日本の大部分の産業が
ロシアに進出し或いは工場を建設してロシアの近代化に貢献しているが政財界の
愛国心も地に堕ちたものだ。最近プーチンが大統領に就任したら北方領土問題に
触れたというが信じ難い。野田首相よ!プーチンに「北方領土なんていらねぇ!
かわりに付き合いをやめる」とタンカを切ってみよう。困るのはロシアだ!