隠居の独り言(1072)

昔の子供歌に「いろはに金平糖金平糖は甘い、甘いは砂糖、砂糖は白い、
白いは兎、兎ははねる、はねるはバッタ、バッタは青い、青いはオバケ、
オバケは消える、消えるは電気、電気は光る、光るはオヤジのハゲアタマ」
誰もが歌った愛唱歌だが、最後のハゲアタマの歌詞が気になる年齢になった。
新聞報道によると、このほど東京理科大の研究チームが髪の毛を作る毛根を
幹細胞から作って埋め込む実験で何度でも毛を生やすことに成功したという。
頭が淋しくなった自分にはヒッグス粒子小沢一郎より関心あるニュースで
一日も早く実用化に向けてもらいたい。完全消滅した毛根を再生する技術を
確立すればノーベル賞ものと思うが花咲か爺さんにはまだ遠い先の話だろう。
若い頃のふさふさした黒髪が懐かしいが根っからの癖っ毛でクシも使わずに
洗髪は固形石鹸だけの髪を苛めた報いなのか最近は急速に砂漠化が進行した。
薄毛はともかく世間は何と病人の多いことか、と実感するのは病院に行くと
多くの老若男女が待合室で根気よく順番を待っている風景には驚いてしまう。
現在の自分は毎月一回の主治医の診察を受けて薬を頂くだけだが、だいたい
人間が長生きするようになったのは病人が増えたからで病院が混むのは当然。
この頃は予約制もあり待ち時間もやや緩和されたがそれでも一時間は普通で
さんざ待ったあげく診察時間は5分と掛からない。病院は儲かるだろうなぁ・
俗に「四百四病」という。予防医学というのも盛んになったが人生何十年も
体を酷使していれば二つや三つの病気を抱えているのが当たり前というもの、
健康と云うのは一つの理念であるが実在ではない。つまり完全健康の状態を
理想としながら体の不完全状態を宥めながら暮らしているのが現実であって
病気を持つ事こそ人の健全の常態だろう。毛髪の濃淡も男の美意識の一つで
少しは若く見られたい、カッコ良く見られたいのは人間の永遠のテーマだが
歳取るごと見た目は落ちていく・・でも相応の品格は保ちたいと願っている。