隠居の独り言(1074)

人はスローガンが好きだ。民主党を除籍された小沢一郎元代表とそのグループ49人は
新党を結成した。党の名前は「国民の生活が一番」どこかで聞いたセリフだと思ったら
3年前の衆院選のポスターに鳩山一郎の顔の右下に同じスローガンが書かれてあった。
キャッチフレーズの中身は既に体験済みで新党なら新党らしく「昔の名前」で出るのは
賞味期限切れのようで新鮮味に欠ける。小沢一郎は消費税UPを反対での新党結成だが
小沢氏が民主党幹事長の当時から「増税の前にやることがある」と言い続けているのに
民主党政権後に挫折し或いは政権公約が出来ていないのは、やる事の意味さえ疑問符だ。
誰もが消費税増税には反対だが、そのために国が借金地獄に陥るのは国が滅びてしまう。
以前に小沢氏がマニフェストで無駄削減すれば16-17兆円の財源を生み出せるとして
結局は出来なかったことをお忘れなのか?素人の自分にも分かる無理なスローガンは
やめてほしい。政治家は国民に受けの良いスローガンを作って自己保身に走っている。
かつて小泉純一郎はスローガンの名人だった。「グローバリズム」「ボーダレス社会」
構造改革」「規制撤廃」「郵政改革に命をかける」「改革なくして成長なし」等々・・
結果はどうだったか?「プライマリーバランスの均衡を図る」と言いながら財政収支を
大幅に悪化させ失業率も上がり先進国の自殺大国になった。救われないのはマスコミや
国民も一緒になり彼のスローガンにうっとりと喝采し果ては今の不景気をもたらした。
政治家のスローガンほどアテにならないものはない。戦前のヒトラーはスローガンで
「世界に冠たるドイツ」「ハイル・ヒトラー」と他愛なく叫んでドイツ国民は酔ったし
当時の日本も「一億火の玉」「鬼畜米英」のスローガンで子供達は軍国少年に染まった。
4年前アメリカでオバマ大統領が当選した時は凄かった「500万人の雇用創出」と掲げ
行き詰ったアメリカにとって救世主のごとく扱われたがあの狂喜はどこへいったのか。
歴代の自民党政権が作った無駄な国債発行で首が回らない程の借金を抱えているのに
未だ減るどころか、ますます増える借金地獄をどうすればいいのか?政党のスイートな
スローガンはもう止めてほしい。むしろ今後の日本が苦しくなるという真実をつぶさに
伝えて、それに耐える処方箋を出してくれる政治家を切に望んでいる。