忍城

harimaya2012-07-17

梅雨末期の天候は地方によって豪雨になり、かたや
前線の南のエリアではうだる猛暑で身体が絶え難い。
こんなとき涼しげな古城の趣きが暑さを忘れさせる。
ここ行田の忍城三の丸の天守だが何度訪れてもいい。
城郭全体が芸術品だが、とくに石垣の上に聳え立つ
天守の形状には時間を忘れて、いつも見惚れている。
城郭の構図には当時の人々の思いが込められている。
強さの表現、高さの表現、勢いの表現、美学の表現、
視線を細部に向ければ意匠の美しさに満ちて武士道の美意識が城に凝縮されている。
戦国期の最中は戦う場としての機能が重要視されていたが安土桃山の戦国末期には
泰平の世へと移り変わる過程で城主の象徴と造形美を希求する形状がそこにあった。
だから近世城郭を象徴する天守が美しい。忍城の歴史はともかく見ていると心が和む。