隠居の独り言(1085)

今年の八月も政局や領土など大きな話題が続出したが何と言ってもロンドン五輪
開会式に始まってさまざまな感動の日々の17日間を、まずは無事に成功裏に収めた
主催国イギリスに感謝しよう。日本選手の活躍シーンに日本中が応援して沸いたのも
大きな収穫で先日の銀座の凱旋パレードでは沿道に約50万人の大群衆が押し寄せて
メダリストの選手達を祝った報道シーンは日本人が一つになった喜びが込み上げた。
マスコミの統計によれば五輪での選手達の感動度のベストスリーは女子卓球三人組、
女子バレー、なでしこジャパンだそうで個人では女子柔道、女子重量上げとあった。
日本の女性が強くなったのは喜ばしいが男性の選手の影が薄いのは淋しい気がする。
自分が感じたクライマックスシーンは閉会式の前夜に行われた男子400mリレーで
ジャマイカのアンカーを務めた陽気なカリブの怪人ウサイン・ボルトアメリカの
選手をぐんぐん引き離して驚異的な世界新記録でゴールを駆け抜けたのには驚いた。
競技場はもとよりテムズ川岸に設けられた巨大スクリーンを見上げる大勢の人達が
歓声をあげていた。ロンドンの夜は寒いのか白人も黒人もアラブもアジアも一緒に
ユニオンジャックを体に巻きつけた映像は国も人種も乗り越えた瞬間を見た気がした。
数々の伝説を作ったボルトはまさに世界の英雄でロンドン五輪を最高に盛り上げた。
オリンピックは4年毎の祭典だがアメリカの大統領選挙をはじめ世界各国で政局が
4年をめどに変化するのが多い。次回のリオ五輪の時の世界はどうなっているのか?
8年後に若し東京で開催されたらどうなっているのか?政治もスポーツも4年を機に
歴史を刻みながら流れていく。次も第二のウサイン・ボルトの出現はあるだろうか・・
今回の五輪を見て気になるのは日本の選手は国歌が流れてもきちんと歌っていない、
各国の選手は自国の国歌が流れれば手を胸に当て堂々と歌っているのは素晴らしい。
その中でボクシング村田亮太選手が傷まみれの顔で君が代を歌っているのに感動した。
金メダルの価値は単に飾りだけでなく日本の栄誉が込められているのを自覚すべきだ。
お目当ての女子サッカーの決勝戦を深夜に見たが試合前にアメリカの選手は高らかに
国歌「星条旗」を歌っているのに、なでしこジャパンに「君が代」を口ずさむ選手が
見当たらないのは日本人の愛国心を象徴している。映像は世界中を駆け巡っている。
監督の指導も無いのか、何より選手が日本人としての誇りと心構えが薄いのが悲しい。