隠居の独り言(1102)

尖閣問題から端を発した中国国内の若者の暴虐ぶりに先進諸国は顔をしかめたろう。
日本の製造業の「自国回帰」の動きが加速している。その背景は中国の人件費高騰と
尖閣問題で中国内の暴動が原因だが、といって中国からの撤退も容易でない。中国は
法律を変え撤退の場合は従業員への多額の退職金と撤退の賠償をしなければならない。
日本企業への嫌がらせとしか思えないが、これで相手の腹の中が解ったのではないか。
従業員の給料は10年前の7-8倍になり、かつて安い人件費を求めて進出した企業の
目論みは外れて中には最近の不況で製品が売れずに倒産寸前の企業も多くあるという。
中国へ巨大市場と低賃金を求め5000社を超える日系企業と1000万人の現地雇用が
あるそうだが企業が進出すれば日本が持っている特許、技術力、緻密、正確さが流出し
失ったものは計り知れない。誘致した日本企業を国家が法的に守るという信頼関係は
欧米など成熟した意識の定着した先進国にしか期待できないことを肝に銘ずるべきだ。
トヨタも当分の期間、中国への日本製の車の輸出をストップするという。いい傾向だ!
日本も豊かになったのだから目先の安値ばかりに捉われず日本人の手による国産品を
生活に活用するよう心掛けたい。中国の産業の発展に日本は相当の寄与があったのに
共産政治の横暴と反日教育された若者によって日本人は出てゆけ、と罵られ日系企業
襲撃、暴力、略奪された事実は理性的なパートナーシップとしての付き合いは出来ない。
資源の少ない日本の海外進出は不可避だが中国だけが相手でない。アジアには親日国の
タイ、ベトナム、インドなどある。目先の利益に捉われずにリスクの分散を考えたい。
一党独裁の無法国家が隣国にいるのも不気味だが日米関係を更に強化してスクラム
組む以外にない。はからずも米海兵隊オスプレイの沖縄配備問題が浮上しているが
日米政府が安全宣言をしたのに仲井真弘多知事は聞く耳を持とうとしないのは問題だ。
県民の感情を代弁するだけが知事の仕事ではない。有事に装備の性能を高めることは
防衛のイロハといえる。オスプレイの問題は感情論でなく大局を見る重要性を政府も
国民も知らねばならない。