隠居の独り言(1104)

石原慎太郎も愛読しているヘミングウエイの小説「キリマンジャロの雪」の一節に
キリマンジャロは雪に覆われた海抜19710フィートのアフリカの最高峰だ。その
西側の頂上はマサイ族の言葉で「神の家」と呼ばれている。ある日その西側の頂上に
近い辺りの雪の上に豹が一匹凍えて死んでいた。その豹がどうしてそんな高い所まで
登っていったのか誰にも分からない」があるが、これはなかなか暗示的な文章と思う。
東京都の石原慎太郎知事が緊急の記者会見で知事を辞して次期衆院選に向けて新党を
結成することを表明した。石原氏は「命あるうちに最後のご奉公をしたい。もう一度
国会に復帰し仲間と新党を作り明治以来の中央集権、官僚制度をシャッフルしたい」
自分は以前から彼の小説を愛読し政治家になっても為すこと、やることの実績を評価し
歯にきぬ着せない発言も好きだったが、ここにきて何故、前に国政を退いた石原氏が
再登板を目指さなければならないのか?実際、今の日本は政治、社会、経済、外交など
あらゆる面で危急存亡の秋を迎えている。本来ならこのような緊急時にはカリスマ的で
的確にものを言い、きちんと問題を指摘できる人に国をお任せするのがいいだろうが、
でも悲しいかな御年80歳では身体がもたないのではと危惧するのは自分だけじゃない。
しかも、わざわざ「第三極」を作って日本の政治形態を変えることが出来るだろうか?
中途半端に日本を混乱させるよりも、ご子息のいる自民党の最高顧問として来るべき
衆院選挙で自民党を応援し安倍晋三総裁のアドバイザーとして国難に当たって欲しい。
憲法放棄、官僚改革、教育問題、外交面など石原氏の素晴らしい理念を生かす意味でも
回りくどい政治手法より与党に入って彼のリーダーシップを発揮するのが正道と思う。
彼の理念が実現しなくては犬の遠吠えに終わってしまう。民主党のせいだけではないが
ここ数年の日本の落ち込みはひどすぎる。沖縄問題、経済下落、日中関係日米安保
そして国債天文学的に増え家庭に喩えればサラ金地獄同様の自転車操業ではないか。
じわじわと迫る奈落への道、国民は知ってか知らずか今の借金限度を見極めようとせず
平穏な生活を謳歌している。昨今、この時こそ石原節で国民に喝を入れてもらいたい。
日本はヒーローを待っている。