藤袴

harimaya2012-11-01

今日から霜月、朝晩めっきり寒くなった。
今年の夏の残暑が厳しかったせいなのか
秋に咲く花の時期も多少は遅れているが
箱庭に秋の七草の一つ藤袴が咲いている。
地味なピンクの藤袴で花の形が袴に似て
名付けられたという。秋の七草の一つで
昔の人は落ち着いた色を好んだのだろう。
藤袴の花弁は甘い芳香に包まれているが
当時の女性は藤袴の葉を干して洗髪剤に使ったというから髪もいい香りがしただろう。
藤袴 きて脱ぎかけし 主や誰 問へど応えず 野辺の秋風」 源実朝
源氏の武将であり優れた詩人でもあった実朝の生涯は権力争いで非業の死を遂げるが
藤袴の奥ゆかしい藤色と武者人形のような花の形に実朝の物悲しい生涯を彷彿させる。