隠居の独り言(1109)

国会が乱れている。国会が乱れるということは国の全体が乱れているということだ。
主権者である国民は国会が乱れるのは困ったものだと議員を責めるが、その議員を
選んだのは我々主権者であり、その私たちの責任と反省を口にする人は誰もいない。
子供の頃、親から「嘘を付いたら閻魔さまに舌を抜かれる」と戒めの教育を受けた。
野田総理は三か月も前に自民党の谷垣総裁と公明党の山口代表との会合で合意して
国民との約束に等しい「近いうち解散」をどうするつもりなのか。経済や外交など
日本の現状を考えれば国民の支持率20%未満の政権が国のかじ取りを続けることは
国益を損なうだけで、その認識があまり無いのもよほど首相の椅子が心地いいのか。
報道によれば近々民主党は前回選挙で掲げたマニフェストの見通しの甘さを認めて
国民に全面謝罪をしなければならないとしているが今更認められても既に遅すぎる。
民主党では元首相の鳩山由紀夫は沖縄の基地問題で卓袱台をひっくり返すヘマをし
前首相の管直人東日本大震災の事後処置を誤った。現首相の野田佳彦は前よりは
少しはマシかと思ったが永田町や被災地から「嘘つき4冠王」「嘘つきドジョウ」の
批判にもめげず総理としての言葉の軽さと朝令暮改は二枚舌と言われてがっかりだ。
8月の民主、自民、公明の3党首会談で合意した「近いうちに国民に信を問う」の
約束は「重く受け止める」と述べるだけで10月に入り第三次野田内閣を編成して
政権維持の姿勢を示し衆院解散の時期をかたくなに拒み権力に固執過ぎるのは醜い。
その裏に左寄りの輿石東幹事長の意向と残り10ヶ月の議員の未練があるのだろう。
民主党政権になって外交面でも米中、北朝鮮の手玉にとられ行方定めぬ波枕のよう。
国会も遠からずボスザル交代の時が迫っているが今年はアメリカ、中国、ロシア、
北朝鮮、韓国も政権交代の年で世界政治の潮目となる。日本も同様の流れだろう。
日本人の美徳のひとつに散り際が未練なく潔いところがある。今は紅葉の季節だが
色づいた葉も政治の風に誘われて散っていく。花は桜木、人は武士、時がくれば
野田総理も日本人の一人として伝統的な美意識は深層心理の中に生きているはずだ。
政治家とは本質的に結果責任の評価で、終わり良ければ全てよし、散り際が大切だ。