隠居の独り言(1128)

今年はNHK大河ドラマ「八重の桜」を見ることにした。幕末に会津藩戊辰戦争
滅びていく様子を描いたドラマだが昨年の「平清盛」の評判が今一だったので今年は
視聴率も盛り返すと期待している。そもそもテレビを見るのは中高年の女性が多いので
主役が女優だと視聴率も上がる。松嶋菜々子の「利家とまつ」、宮崎あおいの「篤姫」、
仲間由紀恵の「功名が辻」、上野樹里の「江」など一枚看板が女優だと評判が良かった。
今年のドラマの主な舞台は会津地方なので福島県の観光には良い影響を及ぼすだろう。
数年前の晩秋に裏磐梯猪苗代湖に紅葉見物に行ったことがある。会津地方の紅葉は
東京近郊の関東の晩秋の風情とはまるで違った。鮮やかな紅葉の色、スケールの大きさ、
言葉に尽くせない素晴らしい景観に感動した。故郷を会津に持つ人にとって日本中の
どの地方よりも故郷への憧情は優れているだろう。しかしながら秋に見る華やぎながら
散りゆく紅葉の美しさは会津を象徴する気がしてならない。会津の秋は実に見事と思う。
会津藩戊辰戦争で3000人を超える死者を出して滅亡する。戦争に負ける悔しさと
悲惨さを目のあたりにして、生き延びた女性たちの胸には命の大切さが刻み込まれた。
戦争では銃を手に奮戦しつつ傷病者の看護にも当たった綾瀬はるか演じるヒロインの
八重も、そうした女性の一人だった。幕末をひと言に語るのは難しいが当時に生きた
それぞれが自分の信念を貫いたのは日本史にも例を見ない時代であったことは事実だ。
これまでの幕末ドラマは勝った側の薩長ものが多かっただけに破れて散った会津藩
取り上げるのはとても良い企画と思う。このブログにもときどき感想を述べてみたい。
1,2回のストリーは1868(慶応4)年8月、官軍からの攻撃で砲撃をあびる会津城内で
スペンサー銃を構え戦う若き女性銃士がいた。その人の名は山本八重、後年に同志社
創設した新島襄の妻となった新島八重の生涯を描かれるが彼女も日本史に名を添えた。
第一回ドラマの場面の戊辰戦争から遡ること17年前。5歳の八重(鈴木梨央)は男勝りで
負けん気が強く父・権八(松重豊)や母・佐久(風吹ジュン)も手を焼いていた。その八重が
慕ってやまないのが兄・覚馬(西島秀俊)の姿だった。銃で華麗に的を撃ち抜く兄の姿を
見た八重は砲術に夢中になっていく。兄・覚馬は佐久間象山(奥田瑛二)の塾で会津藩
先んじて西洋の技術を貪欲に習得していく他藩の動きを知って焦っていた。そんな折、
吉田寅次郎=松陰(小栗旬)がアメリカへ密航を企てたのを象山がそそのかしたとして
捕縛される事件が勃発して仕方なく覚馬は会津へ戻ることになる。 そのころ会津では
八重は両親から砲術への思いを断つよう厳しく諭されていた。