隠居の独り言(1147)

今年も3月の卒業シーズンが来たが6人の孫の一番下が、このほど幼稚園を卒園する。
爺にとって一番下の孫ゆえ、送り迎えで孫姫と歩いた道も時間もこれで終わりと思うと
卒園の寂しさはこのうえない。思えば最初の孫が幼稚園に入園したのが15年前だから
あれからずっと爺は「イクジー」としての役目を果たしたことになる。同じ屋根の下で
孫との暮らしの愛しさは言葉に尽くせないが反面に様々世話をするのも半端じゃない。
だからこそ「目の中に入れても痛くない」実感が沁みてくる。そもそも孫の可愛いのは
幼い頃の言葉や仕草に理屈を超えた情が込みあげてくるもので孫たちは赤子の頃から
おしめの交換も昼寝の添え寝もおんぶに抱っこも爺に馴染んですべて甘えてくれたし
毎日のように近くの公園でカケッコも鬼ごっこも隠れん坊もして童心に還って遊んだ。
一輪車や自転車も爺が手を添えて乗れるようになった。孫達にとって幼い頃の一番の
遊び相手は爺だった。爺も孫の存在は、どれほど心を癒し支えになったか計り知れない。
年月は諸行無常だが日々出来事を孫と共有した喜びは何に替え難いと今更ながら思う。
孫の成長は嬉しくもあり哀しいものだが暮らせた時を与えて下さった神に感謝したい。
学校に入れば環境が大きく変わり友達も多くなってますます爺との距離が離れていく。
でもそれでいい。そうでないと互いに成長がない。爺の達成感もひとしおで肩の荷が
軽くなった感じだ。これからその分、今度は爺の自由時間がもっと欲しいところだが
仕事面や家庭面の事情が許さない。でもあまり固執するのもやめようと最近感じている。
誰も一生に一度はその人間に相応した時期があるのではないか、自分は遅咲きだったが
今がその時期と思うのは、歌を歌うのもブログを綴るのも自分の本音そのものだからだ。
陽射しはもう春!孫が卒業式で歌うのか、可愛い歌声が二階の部屋から聞こえている。
♪いつのことだか、おもいだしてごらん、あんなこと、こんなこと、あったでしょう
うれしかったこと、おもしろかったこと、いつになっても、わすれない、・・中略
一年じゅうを、おもいだしてごらん、あんなこと、こんなこと、あったでしょう、
桃のお花もきれいにさいて、もうすぐみんなは、一年生。「思い出のアルバム」から・・
この歌は幼稚園の卒園式でよく歌われているが、爺には人生の走馬灯のように思われる。