隠居の独り言(1151)

人は美醜の体と善悪の心を持った生き物で光り輝く太陽から闇の世界まで抱えている。
美味しいものを食べ上品な言葉を話す口もあれば音楽を聴く耳や絵画を見る目もあり
勉強で物事を考える頭脳がある。しかし一方に排泄する尻の穴もある。歳を重ねると
老化は避けられないが人に言えない体の劣化による悩みがでる。その一つに便秘がある。
先日、某クリニックで便秘についての講習会があったが多少の悩みを持つ自分は講習を
受けてきた。メモをしてきたのでその一部を書いてみる。そもそも便秘とは三日以上、
通じの無い人をいうのだそうで一応安心したが医学的には宿便というのは無いという。
例えば一週間内ですっきりした通じがあれば便秘ではない。それでも重症の人に医者は
薬を処方するが、市販のアロエ、センナ等の下剤を飲んでも強制的に出しているだけで
根本的解決にならず逆に腸内はメラノーシズという黒い粘膜で腸の力を奪ってしまう。
便秘は大腸の壁の弾力の衰えからのもので壁の弾性力は20歳をピークに下降線を描き
老化とともに弾性力が失われていくのは仕方ない。つまり直腸反射、排泄指令の便意
おこる仕組みが衰える。生活の中で便意が催せば直にトイレに行けば問題はないのだが
世間の仕組みは体の要求に応えられないのが現状で我慢するのが便秘の大半の起因で
それでも老化や習慣性による便秘を治すのには食事と運動と規則正しい生活が基本だ。
腸をすっきりさせる食料はオリーブオイル、グルタミン酸マグネシウム、植物繊維、
オリゴ糖、植物性乳酸菌、等々だが、中でもオリーブオイルは腸管内に吸収されにくく
腸内にオイルが残存するため便が柔くなり排便促進につながる。グルタミン酸はトマト、
大豆性食品、パスタ、それに鰹節や干しシイタケのダシに含まれる。マグネシウム
腸管内に留まって、昆布、ホウレンソウ、ヒジキ、牡蠣、ごま、薩摩芋などが含まれる。
植物繊維はレタス、キャベツ、ごぼう、海藻類、熟した果物、等々で、善玉菌である
ビフィズス菌を増殖させるオリゴ糖は腸の調子を整えるためヨーグルトやヤクルトの
乳酸菌を腸内に住まわせるための食品が有効だ。日々の習慣として目覚めの水の一杯が
効果的で胃や結腸反射をおこし便意につながる。朝の通じは習慣として一番だが生活は
人それぞれなので自分に合った習慣を決める。便秘そのものは病気ではないが老廃物の
無い身体は気持ちがいい。食事に気遣い、適度な運動と、ゆとりを持った日々の生活が
便秘のみならず健康な体作りに欠かせない。