隠居の独り言(1164)

最近の大河ドラマ「八重の桜」の視聴率がイマイチで、あまり評判が良くないらしい。
週刊誌によると安倍首相も大河をご覧になっているとか、安倍さんは山口県出身なので
吉田松陰久坂玄瑞桂小五郎などの長州藩の人物像を描くのに荒っぽすぎる」とか
ご不満らしいが、それはともかく大河ドラマは歴史の背景が重要なので描くのは難しい。
といって歴史を優先すると、肝心の主役のストーリーが疎かになり視聴者には飽きられ
結局、両方どっちつかずの虻蜂取らずに視聴者を惹き付けられなかったのが主な原因だ。
大河一本を製作するのに大変な苦労、年月、費用が必要なだけにNHKも考えて欲しい。
そして多くの大河ファンの願いを失望させないように製作者の益々の努力に期待する。
ここ数年来の評判の良かった大河は2008年の「篤姫」がトップで主役・宮崎あおい
キャラを充分に発揮して歴史的背景など二の次だった。次いで良かったのは2007年の
仲間由紀恵上川隆也の「千代」妻夫木聡の「天地人福山雅治の「坂本竜馬」辺りが
キャスティングのイメージ良く配役の活動と歴史背景のバランスも上手く嵌っていた。
それが2011年「江」辺りから2012年「平清盛」に至っては歴史的解説が難解すぎて
視聴者には付いていけない。人物が登場するたびに名前がスーパーインポーズされても
それだけで理解されているとディレクターは思っているのだろうか?字幕が無くでも
役名が分かるようにするのが製作者の腕次第と思う。今回の「八重の桜」も最初の頃は
人気女優・綾瀬はるかの起用で評判が良かったが数ヶ月も観ていると、もういいや、と
見飽きてしまったのだろう。そもそも幕末の背景が、ややこしいのに加えて何もかもと
欲張り過ぎている。「篤姫」のときのように主役中心に徹すれば視聴も上がっただろう。
大河ドラマは歴史上の人物のイメージがあるから登場する役者のミスキャストも多い。
西郷隆盛扮する吉川晃司は彫深い隆盛には程遠いし大久保一蔵の徳重総も似合わない。
新撰組近藤勇の神尾祐、土方歳三村上淳もイメージに合わない。歴史の脇役だった
覚馬の西島秀俊、尚乃助の長谷川博己、三郎の工藤阿須加、などが好演しているだけに
キャスティングと云うのは難しいが考えると面白い。ドラマは慶喜小泉孝太郎)が
愈々大政奉還を決断し260年続いた徳川幕府の終焉と新しい明治の時代に入っていく。