喫茶店

harimaya2013-05-09

昔は喫茶店が多かった。かったという過去形でなく
今でも喫茶店は多くあるが昔の特別な空間が消えた。
昔の喫茶店はこじんまりと何となくくすんだ店内は
装飾も調度品もテーブルや椅子も重厚感があったし
店により違ったジャンルの音楽が静かに流れていた。
行きつけの喫茶店のママはいつも優しく若いころは
美人だったんじゃないかと思わせる艶やかさがあり
マスターは風采が上がらなくてもママの旦那だった。
そんな雰囲気の喫茶店は若かりし日の特別な空間でコーヒーを飲んで何かを喋るのは
もうそれだけで一つの哲学であり、大人になった証であり、煙草の味もそこで覚えた。
今でも時々そんな喫茶店に出会えるときがある。商業的には採算は取れないだろうが
いつまでも続けて欲しいと願う。そして時が止まった特別な空間で昔の君と出逢いたい。