隠居の独り言(1176)

朝夕、会社への出勤は電車で通っている。乗り換えが2度あるので通勤時間は
小一時間かかる。車なら30分足らずなのに、わざわざ電車通勤にしているのは
健康のためで一日の歩数は通勤で6000歩、その他含めると10000歩を超える。
電車内もできるだけ座らないよう心がけている。満員電車で立って揺られるのは
足腰の鍛錬であり駅内のエスカレーターも極力避け階段を早足で登り降りする。
自分はそれなりの齢だができるだけ優先席のほうに行かないことにしているが
こうしたヤセガマンも運動のひとつと考える。車内でウオークマンで好きな音楽を
聴きながら過ごせば時間を忘れて降りる駅に到着している。それでもときどき
席を譲られることがある。若い気分のつもりでも老いた姿格好までは隠せない。
譲られた方に謝意を述べ座らせていただき、そんなときは気分良く座っている。
席を譲る若者の爽やかな好意を受けるとともに今日一日の良いスタートと感じる。
優先席でも若者は男も女も席を譲る風景はあまり見かけない。大股開きで座り
漫画を読んだりケータイに夢中になり、年寄りやマタニティの女性が前に立つと
寝たふりをする。今の若者に老人やハンディキャップへのいたわりが常識にない。
なかには若い女性が化粧箱を取り出してお化粧を始める。若者に言いたいのは
格好よさ=美学を持ってほしい。大股開きの男も人前で化粧する女も実に醜い。
それは年寄りにも云えることで、例えば、事を起こすときヨイショと発するは禁句、
何事も歳のせいにしない、姿勢を正しくするのを意識する、だらしない格好をしない、
手を後ろに組んで歩かない、人の悪口を言わない、唾つけて本や新聞をめくらない、
家事をする、頑固にならない、ゴロゴロしない、等々、老いても美学を持ち続けたい。
今の健康状態がいつまで続くか分からないが、でも神から自分に与えられた健康を
使い切りたいと願う。歳をとっても美意識がないと哀れなものになる。