隠居の独り言(1193)

日曜夜の楽しみの一つNHK大河ドラマ「八重の桜」も戊辰戦争鶴ヶ城が陥落して
歴史的事柄が一段落してしまうとTVを見る興味も薄れていく。どうせなら戦争終結
函館陥落まで続けて欲しかった。やはり大河ドラマは歴史が繋がらないと面白くない。
八重(綾瀬はるか)の舞台も明治の京都に移るがドラマが急に明治に入っていくので
「八重の桜」の物語が途切れ、違ったドラマを見るようでTV鑑賞の回数も減っている。
いつも思うのだが大河は歴史ドラマなので、この種の配役や年齢の関係が気になる。
ドラマの途中だが今回のドラマの歴史的イメージで思う役柄の良し悪しを総括すると
良かったのは、まず容保の綾野剛、優柔不断で結局会津を滅ぼしてしまう殿様役を
うまく演じていた。殿様といえばドライで薄情だった徳川慶喜小泉孝太郎も将軍の
適役だったと思う。やはり父の血筋は争えないものだ。一般的に会津藩の家来たちの
役者は好演だった。筆頭家老の西郷頼母役の西田敏行は流石に名優の演技だろう。
八重の兄の山本覚馬西島秀俊)は会津人の男らしい演技を見せていたし、夫役の
尚之助(長谷川博己)もとても良かった。父の権八松重豊)母の佐久(風吹ジュン
弟の三郎(工藤阿須加)の家族にも好感が持てた。いっぽうのカタキ役の薩長はじめ
新政府の役人たちの配役にイメージが合っていない。まずは西郷隆盛を想像しても
上野の銅像から見る大きな目と貫禄ある姿恰好に吉川晃司は隆盛役に向いてない。
大久保一蔵(徳重聡)、桂小五郎及川光博)、大山弥助(反町隆史)や公卿出身の
岩倉具視小堺一機)、三条実美篠井英介)など新政府の男優のキャスティングには
ガッカリする。たかがキャスティングというなかれ。大河を楽しみにしている視聴者は
イメージが違えば視聴料を返せと言いたくなる。主役の綾瀬はるかの素朴な演技が好評で
歴史ドラマから離れても、はんなりとした日本の女性の魅力が出ているのがとてもいい。
今回の物語は1875(明治8)年、アメリカ留学から新島襄(オダギリジョー)が帰国して
覚馬や槇村正直(郄嶋政宏)の援助を受け、京都に英学校を作るために活動していた。
そのころ八重も覚馬に促されキリスト教の勉強を始めていた。ある日、宣教師の家を
訪れていた八重は偶然襄と出会う。八重が「女紅場」で働いていることを知った襄は、
見学をしたいと願い出る。いきなり押しかけてきた襄に戸惑う八重だったが・・いっぽう
戊辰戦争後にアメリカへ留学をしていた山川健次郎(勝地涼)は5年間の留学を経て、
日本に帰ってきていた・・・後半も楽しみにしているが最近一抹の寂しさを覚えるのは
今の若者は大河ドラマを見なくなったという。大河ドラマも曲がり角に来ている。