隠居の独り言(1199)

オリンピック招致に成功してアベノミクスの追い風となったが来年四月から予定される
消費税増税は必至の情勢になってきた。先だっての有識者会議の結論でも大部分の
人の意見は増税やむなしになっている。あとは安部首相の胸三寸だが首相の結論は
既に増税に固まっていて有識者会議というのは体裁を整えるための行事に過ぎない。
総理が消費増税を口に出すのは昔からトラウマのようで1997年自民党橋本政権が
3%から5%に上げたがそれが今日に至るデフレのスタートで税収や株価も下落した。
安部総理は過去の失敗を繰り返したくないので有識者とかの意見を伺うという戦法で
国民の消費増税の支持を取り付ける格好にして増税反対意見に有無を言わせない。
消費増税は安部政権発足時からの既定路線だろうが、しかし現段階での消費増税
走り始めたばかりのアベノミクスに対しての強力なブレーキになるのは間違いない。
アベノミクスは二年後の2%インフレ目標を掲げてデフレ退治に躍起になっているが
消費増税をして消費減退になり法人・所得税収が減ってしまえば元の木阿弥になる。
来春の増税国際公約とか延期は信用失墜での国債暴落というが理由に過ぎない。
増税は計算上では税率UPが8%で8兆円、10%で10兆円の増収となるはずだが
あくまでも机上の計算で過去の消費減退のデフレ圧力にならない保証はどこにもない。
古今東西、歴史の勝者は運をモノにしている。先の衆院選参院選で圧勝しおまけに
五輪招致に成功し、ツキにツイテいる安部晋三アベノミクスという流行語まで貰った。
近年になかった政治の明るさを消してはならない。だからこそ増税を慎重にしてほしい。
自分は消費増税に基本的には賛成だが、国民の大半の労働賃金が上がり失業率が
明確に下がってきてからでも遅くないと思う。その時は一挙に10%にしてもいいだろう。
国債残高が1000兆円もあり、たかだか8-10兆円の消費増税のためアベノミクス
頓挫すれば今の景気が水泡に帰してしまう。消費増税延期で困るのは財務省でなく
安部長期政権で日本復活を嫌う中韓であり、そのあたりも考慮に入れてもらいたい。