隠居の独り言(1207)

仕事柄、人と話す機会の多い自分だが商談だけでは相手の親近感、信頼感が少なく
お付き合いの潤滑油には世間話は欠かせない。そこで時々利用しているのは新聞の
広告の週刊誌の見出しで雑誌を買わなくも世間のおよその事柄が想像できて面白い。
今週見出しも「日本を暗い国にした小泉純一郎」「居直りみのもんたの復活を許すな」
ソチ五輪に手を掛けた浅田真央とずりおちた安藤美姫」「松山英樹石川遼、欠席の
日本オープン」「AKB峰岸みなみネット流出犯逮捕」「明石屋さんまにすがる酒井法子
政治、スポーツ、芸能関係まで週刊誌は売らんかなの商魂で面白おかしく書き散らす。
新聞を見ればTPPの問題、ノーベル賞の話題、ストーカー殺人事件など事欠かない。
世の中は絶えることなく動いている。商いは経済的なもの以外に人と人の付き合いで
専門の商談から外れ、くだらない話も相手に合わせないと商いを紡ぐことができない。
様々な話の引き出しを持つのは仕事関係ばかりでなく家族、友人、近所付き合いなど
コミュニケーションに欠かせないがミーハーな話題もけっこう面白いものが尽きないし
どのような世間の事柄にでも興味がなくなったら耄碌が始まったと云わざるを得ない。
とくに不景気の世の中に生き残るために思考や話題が止まれば置いてけぼりになる。
要するにどんな年齢差があっても話は対等であり、ついていけなければ成り立たない。
長い年月を仕事で暮らし面白味も怖さも体験した自分だが寄る年波は如何ともし難く
最近は商いを半ば趣味だと思っている。といって仕事に手を抜いているわけでない。
帳簿上で儲かっても儲からなくても良し、損しない程度に流していけば日々の変化が
持てて心の張りが出る。商いとは昨日の続きが明日でない。昨日まで順調であっても
明日の保証がないのが商いであり今日を大切にしなくてはならない。歩んできた道は
サラリーマンと違って定年も退職金もなく、一生涯働き蜂であって体が朽ち果てるまで
終身刑の運命を背負っている。でも誰にも社会にも恨むわけでなくこれで良かった。と
ミーハー人生に胸を張って、最後は棺桶でひとりゆっくり休みたいと願っている。