隠居の独り言(1236)

今年のブログも今日で終わる。一年を振り返れば健康、仕事、家族、趣味それぞれが
恙無く良い年であったと幸せを噛みしめている。暦上は傘寿を迎えて男の平均寿命を
超えたが今も健康面もとくに問題なく、仕事もまぁまぁ、家族も平穏に一年を過ごせた。
しかし今年は弟の死、妹や近い親族の病気の知らせに気持ちは重く世の無常を思う。
趣味のバンドはトリオからカルテットになり音の内容が大幅UPして言葉に尽くせない。
今年の決算に「NHK熱血バトル」に挑戦できたのも進歩のあとの結果を物語っている。
一次予選は惜しくも2位で甘んじたが年代からしてネット勝負では若い人に敵わない。
ブログを続けられたのも大きな収穫だ。日々の出来事の他に、今の世相に感じたこと、
感動や批判など書き綴るエッセーに取り組んだパーソナル・ヒストリーに独り合点する。
平穏に過ごせた2013年は間もなく暮れるが新年も今年の続きであって欲しいと願う。
テレビドラマの「半沢直樹」で堺雅人の決めゼリフ「倍返し」が今年の流行語大賞だが
穏やかな年も周囲のみなさまのおかげであり感謝を倍返ししたい気持ちでいっぱいだ。
人生は短いようで長いと思うのは生きた80年は人類が今まで体験しなかった激動の
時代であったからだ。誕生した1933年にドイツはナチス党のヒトラーが首相になり、
アメリカはルーズベルトが大統領に就任した。日本は満州国承認に負け国連脱退し
世界の孤児になった。第二次世界大戦の申し子の自分も難産だったと母から聞いた。
大阪で生まれ今は東京在住の80年の人生には戦争、飢餓の苦しみの時代があった。
当時はいくら倹約しても、いくら働いても人々は極貧にさらされた。父は戦争に取られ
子供が何人いようが国家は特別に飢えを助けてくれることはなかった。しかし当時を
体験した者には今の人と違った強さを持っているのを折ある毎に感じることがある。
何よりあらゆる環境に強いこと。滅多に風邪は引かないし、花粉症に罹ることもない。
食物アレルギーも無く不潔にも強い。物の欠乏を切り抜ける強さを持ち合わせている。
政治家は「弱者救済」を正義の味方のように言うが来年消費税8%の際の食料品の
軽減税率も食料の3割を捨てているという無駄を見直すことに努力すればいいので
弱者救済は本末転倒だと思う。生活保護もよほどの事情以外は支給するべきでない。
働いて収入を得ることは身体を使えばいくらでもあるはずだ。東日本大震災から得た
貴重な体験は震災そのものより長い避難生活を経て家に戻り普通の食事に風呂に
入れただけで感謝の心で手を合わせたという。思えば生きた80年間の道程で戦争、
飢餓の苦しい実体験を学んだし、思いもよらなかった近代文明の恩恵も受けられた。
日本人として生まれ、日本で暮らした80年の歳月を心より感謝し、今後は八十路を
楽しみながら歩みたい。今年も拙ないブログをお読みくださり、ありがとうございました。