隠居の独り言(1243)

オヤジバトルで遂に決勝の舞台に立つことができた。とにかく今はホットしている。
そして何回も私たちに協力していただいた方々に対し、感謝の言葉は尽くせない。
今回はいい経験をした。おそらく、二度とない経験であったといっていい。そして
私たちの望みを果たせたことは幸運の神さまがバンドに祝福してくださったからだ。
概して音楽は3-4分で構成されている。聴くほうも、そのあたりの時間が適当で
心地いい感じであるといっていい。しかしバトルに僅か3分の演奏にメンバーの
気力と労力と時間を費やしたのも尋常ではなかった。それはオリンピックのため
100m短距離選手が僅か10秒の競争のため4年間の鍛錬する気分に似ている。
でもその苦労も過ぎてしまえば、いい思い出だ。結果は良し!好きなラテンを歌い
NHK「熱血オヤジバトル」での優良バンドの一つに選ばれただけでも冥利に尽きる。
そしてこの歳にして、いい勉強になったのは「歌は世につれ世は歌につれ」というが
最初のネット投票、NHK審査枠の6組の内容をみて今の音楽の流れがみてとれる。
始めの選出はロック3、ポップス1、歌謡曲1、カントリー1でロックが主になっている。
中高年が楽しんでいるジャズ、ラテン、フォーク、ハワイアンなど審査外だったのは
オールドファンには淋しいが今のハヤリのジャンルはロックに傾いているのだろう。
歳のせいかロックの電気ギターやドラムの大音響の激しさは聴く耳が耐えられない。
競うからには、大勢の人を寄せる魅力が必要であり、観衆の好みを知るのも大切だ。
どんなに上手でも、どんなにテクニックに秀でても流行というウェーブには敵わない。
思えばラテンの最高潮の時代は1950-60代だった。ザビア・クガート、ペレスプラド、
トリオロスパンチョス等の大物が来日し日本でも東京キューバンボーイズが活躍した。
今でもライブでお客様にリクエストされるのは、昔流行ったベサメかキサスなどが多く
何十年も前からラテンの発展は止まっている。今では世代が代わりラテンのみならず
昭和期に流行った懐かしく美しいメロディーの名曲の数々が忘れられようとしている。
自分は静かな趣の情感あるものに心癒される。これまでに様々な音楽と出会った。
幼い頃の童謡から賛美歌、尋常唱歌、クラシック、ポップス、タンゴ、昭和の歌謡曲
シャンソン、ギター曲、そして辿り着いたのはラテンだった。ラテン音楽の魅力は
美しいメロディー、体の芯を揺さぶるリズム、そしてスペイン語の語感が心地よい。
それらの魅力に取り憑かれた自分だが支えてくれる友に巡り会えたのが幸運だ。
いい音楽の出会いは、いい友との出会いとイコールと思う。