隠居の独り言(1245)

東京は都知事選の真っ盛りだが競馬に譬えれば本命が舛添要一、対抗が細川護熙
穴馬が田母神俊雄か、宇都宮健児といったところか。ところで都知事選挙で違和感を
覚えるのは「原発是非」を大きな争点に掲げている候補者がいることで、この問題は
東京都民だけのことでなく日本国民全体の事案であり地方選挙たる都知事選挙には
問題提起そのものがおかしい。東京都民をダシにして国民を巻き込む脱原発運動を
盛り上げようというなら都民も随分ナメられたものだ。原発の問題は国会が審議して
原発の将来を決めるべきであり、都知事選挙の焦点にするのはピントが外れている。
ついでにいえば原発推進は世界の趨勢であることを候補者も国民も知るべきであり
現に近くの中国が沿岸部に多数の原子力発電所計画を持っているのは見逃せない。
中東や北アフリカアラブ諸国も将来の原油枯渇を見越して原発建設計画が相次ぐ。
こんな時こそ、原発技術最先端をいく日本が福島失敗の経験を各国に伝えるべきで
世界のためにも、日本のためにも蓄えた原子力技術を発揮しないのは人類の損失だ。
原発はさておき肝心の都政に精通している人物を選びたいと思う。いつも思うのだが
選挙になると候補者たちは「お年寄りも安心して暮らせる社会をお約束いたします」
と恥ずかしげもなく大声を張り上げているが、そんな出来もしないことを平気で言う人は
ウソつきか詐欺師のようなものだ。年寄り向けは年金・医療・介護だが、このままでは
毎年一兆円の自然増で増税をしない限り今の社会保障は不可能だ。少子高齢化
財政悪化で甘い話は出来るはずがない。年寄りは現在で充分であり、今後の年金や
社会保障が多少下がっても何とかやっていける。それより将来を担う若者の夢の叶う
施策を模索すべきで希望の持てる職業の選択や、いずれ結婚すれば子育て支援
「出産費用無料」「保育中の経済支援」「待機児童対策」等、若者優先政策にしたい。
最近は「安心」という言葉が氾濫し「老後を安心し暮らしたい」「安心し夜道を歩きたい」
「安心し子供を遊ばせたい」等、でも安心は「公」に頼るのでなく自己責任で守りたい。
家内安全も健康管理も内憂外患は自分がしっかりしなくてはならない。都知事選挙
かぎらず政治家の言葉に惑わされては自分を失う。今回の都知事選挙は6年後に
東京五輪を控え、新都知事には2期8年を続けられる候補者が最良の選択だろう。
それには能力共に様々な行事に耐えられる体力が求められる。五輪時70歳辺りが
ギリギリだから逆算すれば現在65歳位までの候補者が適任だ。都民の一人として
都政と五輪の両輪をきちんと果たせる新都知事を求めている。