隠居の独り言(1258)

初孫が生まれて18年、その孫Kenが大学受験第一志望だった国立大医学部を見事に
クリアした。孫ながら天晴れ!まずはおめでとう。今まで人一倍頑張った成果に
家族一同、手を叩き喜びあった。彼はガリ勉タイプでなく「遊び上手」で弟妹にとって
頼もしい兄貴だった。その遊び上手の発想が勉強のプラスに働いたのかもしれない。
今の合格発表は、発表の時間になるとパソコンやケータイで検索して合否を確かめる。
昔のように学校へ行って掲示板に書かれた番号と名前を必死で見て、或いは喜び、
或いは泣き、中には胴上げした歓喜の風物詩があったが今はその感動シーンがない。
医学部は大学在学6年間で卒業の時には医師試験もあり厳しい勉強が待っている。
合格によって彼の人生の岐路が大きく舵を切ったことになる。これから頑張ってほしい。
彼が一人前になったとき自分は既に鬼籍の可能性大だが草葉から成功を祈っている。
その昔、自分が中学校を卒業するときの文章で「将来、医者か外交官になりたい」と
将来の夢を綴ったが、今になって孫が果たしてくれたことでこれ以上の満足感はない。
現代は学歴社会、とりわけ有名大学の学歴や堅実な資格という人物ブランドがないと
世間の普通の暮らしが保証されない。それなのに今の学校の義務教育の範囲だけで
中身の濃い勉強と上を目指すにはとても無理だ。だから子供達は塾へ通うようになる。
考えれば学校の先生の存在は何なのかとも思ってしまう。運動会の競走で一番でも
何の賞もないし、勉強ができても盾もない。通信簿も点数でなく○がついているだけ。
つまり競争意識を高揚させるより、みんな良い子であれば学校の評価が無事納まる。
学校とは何なのか?義務教育の範囲とは何なのか?先生の教え方とは何なのか?
塾の費用も結構なものだが、親の犠牲の上に今の教育が成り立っているのは事実だ。
それは二極分化の典型であり、少子高齢化が急速に進むなかで、将来はますますと
顕著になっていくだろう。後に続く兄弟の孫たちも、それぞれの希望に真っ直ぐに
突き進んで欲しいと願う。自分を顧みたとき、恵まれた今の子供たちは、なんて幸せ
だろうとつくづく思う。衣食住は完全に満たされ、勉強はいつもできる好環境がある。
将来の希望を夢見れば本人の努力次第で大抵は叶えられる。初孫の医学部合格は
自分が昔、夢見たDNAの何分の一かを、孫にバトンタッチされた嬉しさがこみ上げる。
初春の「オヤジバトル」出演から、孫の嬉しい合格など、今年の春はいつになく暖かい。