隠居の独り言(1259)

早、東日本大震災から3年経った。3・11の日は新聞やテレビは震災一色だったので
書くのを控える。その前日3・10日も日本人に忘れがたい一日だ。東京大空襲の日。
東京のみならず全国の殆どの町が爆撃で焦土と化し死者・行方不明者は数知れない。
けれども日本は原爆投下ですらアメリカを責めたり賠償や謝罪を求めることはしない。
戦争に負けたからではない。人道的な見地からアメリカは裁かれなくてはならないが
過去よりも現在と未来が大事だからだ。昨年秋、銀杏が素晴らしい皇居前の広場を
美しいケネディ新駐日アメリカ大使は馬車の中から駆けつけた大勢の人に手を振り
親しみをアピールした。親日家だった父のケネディ大統領も泉下で喜んだに違いない。
ところが大使は看板とは裏腹に日々日米関係を悪化させる。安倍首相の靖国参拝
建設的でないとの発言は心ある日本人を失望させた。戦地で心ならずも散っていった
兵士を悼む参拝に難癖をつけるとは人として最低と思う。父が親日家だったのに娘が
日本を貶めるのは韓国の朴槿恵大統領に似ているが彼女達の真意は一体何なのか。
戦前の日本の3・10日は陸軍記念日だった。1905年、日露の奉天会戦で日本軍が
勝ち(現在・瀋陽)を占領し奉天城に入城した日だった。5・27日の海軍記念日と共に
戦前の日本人に誇らしい記念日だ。その大切な日をあざ笑うかのように昭和20年の
陸軍記念日を選びアメリカ軍による「東京大空襲」が行われた。深夜に突然大編成の
アメリカ空軍B29が東京上空に現れて大量の焼夷弾を投下し下町を焼け野原にした。
しかも作戦は焼夷弾を町の外側から落とし始め火の海の壁を作り人が逃げられない
ようにした虐殺的空襲だった。国際条約であるハーグ条約では非戦闘員、民間人を
殺傷してはならないとあるが先の大戦はお構いなしの都市への空襲、そしてとどめは
原爆で日本人はホロコースト的な殺戮だった。戦後は日本のリーダーは軍事裁判に
処され全ての悪は日本であり謝罪と賠償金の償いを徹底的に架けられた。いまさら
過去のアメリカを恨んでも詮無いが、悔しいけれどこれから仲良くしなければならない。
歴史という大河の流れのなかで日本は島国である以上、同じ島国のイギリスや海洋
国家のアメリカと手を結ぶのが最良の選択であり、それをしなかった戦前の指導者の
失敗だった。今や某国からの脅威は待ったなしで集団的自衛権改憲は必然なのに、
未だにGHQの洗脳に犯されたマスコミや国民の多いのに時代錯誤の危うさを感じる。
歴史を知るに際し必要なのは現実の評価と自らの強さと謙虚な考えであると常々思う。
東日本大震災は天災で避けようがないが東京大空襲は人災。心して未来に繋げたい。