隠居の独り言(1266)

語学の苦手な自分には外国の言葉を流暢に操って外人と自在にコミュニケーションが
出来る人は羨ましくあり尊敬そのものだ。所属するラテンバンド・カルテット花火の歌は
勿論スペイン語だがリーダーの日系ペルー人のマヌエルは日本語が今ひとつなので
師匠のスペイン語を即通訳するKeikoさんがいないとカルテット花火は成り立たない。
以前にKeikoさんに聞いた「なぜ貴女はスペイン語が聞き取れて流暢に話せるの?」
「それは慣れよ。現地でチンプンカンの生活をしていると一年も経つと理解できるのよ」
20年の長きに南米各地で暮らしスペイン語の読み書きを完璧にこなす彼女ならではの
言えることだが大抵の日本人は学校で何年も英語を習っても殆ど外国人と話せない。
数カ国語を話せるということは脳の知識細胞が人より数万以上多く使っていることで
凄い能力だと感服する。今更ながら自分も外国語の一つも出来たらなぁとつくづく思う。
自分はラテンが好きで歌うときはスペイン語だが意味も不透明の丸暗記で歌っている。
それでも言葉の一篇は辞書を引いて知っても歌に込められた感情の全てを表せるには
不可能だろう。相手を理解する言葉の意味合いというものはそう簡単には生まれない。
でも音楽は世界共通語だから詞の意味を知らなくても歌の持つ感覚は充分に伝わる。
上京した頃、ラジオからの進駐軍放送(AFN Tokyo)を知ってアメリカの歌を聴いたが
その新鮮さに英語や歌手の名前は知らなくても、何て垢抜けた音楽だろうと感動した。
でも自分がラテン好きだからというわけでないが外国語の中で日本人には英語よりも
スペイン語の方が言葉の話し方が向いている気がする。それはスペイン語の喋りが
聞いていて他の外国語より耳心地が良い。それは日本人には苦手な子音が英語より
少ないので外国語の中でも習うには最適ではと感じる。習い事の全ては好きでないと
長続きしないが自分は歌という媒介を通じて少しずつ覚えようとするが中々に難しい。
それとラテン人の男性は女性と見れば、すぐ声をかけるのが礼儀と心得ているらしい。
ラテン音楽が好きになったのに理屈はないが異性を好きになるのは年齢を問わない。
「恋の歌」を歌うのは何よりの若返りの方法であり、そのうえスペイン語を覚えるという
脳の中の前葉部を刺激する老化予防には一石二鳥で自分に合っていると思っている。
「カルテット花火」は自分にとって音楽だけでなく多くの勉強に満ちた学習の場そのものだ。