隠居の独り言(1287)

最近、ニュースを賑わせているものに「集団的自衛権」なるものがある。少し前までは
そんな言葉を聞いたことがない。ここにきて、にわかに出てきたのは中国や北朝鮮
軍事的圧力が顕著になったからで、考えれば今までの日米安保集団的自衛権
含まれていなかったことに却って驚いている。軍事同盟というのは互いに助け合って
仮想敵国にあたるのが普通だと思ってきたが片方の軍が敵から攻撃されているのに
黙って見ているだけの軍事同盟なんてありうるのだろうか。それは軍事同盟じゃない。
調べると「集団的自衛権」は国連でも認められ現に同じ敗戦国のドイツもNATO軍の
一員として何年か前にアフガニスタン空爆している。ドイツは既に過去から脱却して
国際任務を果たし欧州連合EUの中心的存在になっているのに片や日本が情けない。
日本も一国だけでは自立できない現状を今更知る能天気に呆れるが、未だ与党内で
個別的とか集団的とか自民と公明でもめている場合かと政治家諸君に強く言いたい。
公明党集団的自衛権にどうしても反対なら自公連合破談もやむをえないと考える。
先日、自衛隊偵察機に中国戦闘機が異常接近して威嚇をしかけてきたが、これが
米軍機なら絶対にありえない。日本に憲法9条という足枷があるし集団的自衛権
アメリカと結んでいないから中国は脅しも安心してかけてくる。今や集団的自衛権
必要でないという国はアメリカ、ロシア、中国の三カ国しかない。強力な軍事力を持ち
核兵器を所有していればどこからも攻める相手はいないし怖い国はどこにもいない。
それでもアメリカの軍事力は世界一の強力さを誇っている。そのアメリカと手を組み
軍事同盟を確固たるものにしておけば中国や近隣国は日本に手を出せないはずだ。
現実に中国は我が国固有の領土、尖閣諸島を虎視眈々と狙っている。隙をみせれば
必ず軍事的圧力によって埋められるという力学的作用が起きるのは歴史の常識だ。
いままでの日米安保は日本を守るだけの片努条約だったけれど世界の情勢は大きく
変わりつつあることを日本人はもっと認識しないとまたも昔の世界の孤児になっていく。
憲法9条があるので平和だ。平和宣言をしているから平和だ。そんな御託を言う人は
世界の変化に目を向けようとしない。今までの平和が実は日米安保のお陰であったと
真実を知らなければ将来の判断を誤る。その今までの日米安保さえ難しくなっている。
二度と戦争をしないためにはそれだけの戦略と覚悟が必要なのは言うまでもない。