隠居の独り言(1300)

過ぎてみれば、いつのまに隠居シリーズも1300回になった。「継続は力なり」というが
とりあえずホッとする。直木賞作家でエッセイストである林真理子さんはエッセイストに
なるには五つの条件をあげている。➀まず意地悪さ、自分を戯曲化するような度胸が
必要で失敗を笑ってしまえるおおらかさが求められる。➁好奇心➂文章力、リズムと
起承転結がきちんとついているかどうか➃自腹を切るということ、色々元手がかかる。
➄人に嫌われてもいい、という強さ。これがプロの助言だがなるほど思うところが多い。
エッセーモドキのブログを始めたのは2004年6月なので丸10年が過ぎたことになる。
この10年で良かったのは読書の時間、音楽の演奏、旅行などの見聞が増えたことで
とても充実できた年月を嬉しく思うのは、これらブログを続けたことに負うところが多い。
若い頃に考えもしないブログという趣味は晩年に神さまから戴いた大切な宝物と思う。
10数年前に仕事関係でPCが必要になったので老骨に鞭打ってキー叩きの練習に
明け暮れしていた。最初は一字一字、一本指でキーのアルファベッドの配列を覚える。
恥ずかしながらキーボード、マウス、アクセスなど初歩的なPC用語も知らなかったが
書店でPC関係の本を買って読んでも意味が分からず、詳しい人に教えを乞いながら
悪戦苦闘が続いていた。その頃ギター仲間のH氏から「徒然草の現代語訳」の本を
頂戴しH氏は「越後屋の徒然日記」というブログを書いているから何ならPCを覚え
ついでにブログをしてみないか、とのご提案で興味は沸いたがPC操作もままならず
実際は無理な話で文章を書くどころでない。そもそも「つれづれなるままに」と綴れる
才能も芸もなく、エッセーなんて遠い夢物語だった。でもH氏の指導よろしく始めたが
初めは文章が浮かんでもキーの叩きに間に合わず時間が掛かりすぎてブログ書きの
諦めを何度思ったか。でもH氏との出会いがあってであり彼に感謝してもし切れない。
H氏が新潟出身の「越後屋」で自分は兵庫出身の「播磨屋」と名乗ったのも懐かしい。
あれから10年・・林真理子さんの仰せの通りエッセイストの道は険しい峠が多すぎる。
筆力のこれ以上の才と発展は無理だが、健康と好奇心がある限りブログを続けたい。