隠居の独り言(1336)

安倍首相の所謂「女性が輝く日本」をつくるための象徴の一つと言うべき女性大臣の
二人が流れ星のように消えていった。折角女性閣僚に選ばれながら、つまらぬことで
総理の顔に泥を塗って辞任をしなければならない事情に国会議員として資格が無い。
そもそも国会議員というのは日本国を案じる立場であって地方の有権者のご機嫌を
伺う選挙制度がおかしい。道路を造る、橋を懸る、公民館を建てるという類のものは
地方議員の仕事であって国会議員の口挟むことでない。国会議員の選挙は地区別
にしないで国全体を一つの選挙区にすべきだ。目玉人事だった女性閣僚の辞任劇は
図らずも地方の有権者の御機嫌伺いをしなければならないような旧態依然の実態を
見せつけられた。小渕優子経済産業相の父君は総理大臣として徳のある方だった。
何より人に対し優しい心を持ち主だった。しかし娘の優子嬢は強度のある発言からも
性格が感情的で政治家には向いていない。その素質を見抜けない自民党の幹部も
単に人気取りの人事を行ったとすれば安倍総理も彼女の話題を煽ったマスコミも共に
人を見る目がなかったといえる。なぜ小渕事務所の音頭取りでバスを連ね何千人も
演歌を聞きに行く習わしなのか。それが当たり前のように何十年と続いてきたのか。
本当に演歌が好きなら自分達で計画してまともに入場券を払い楽しむのが筋だろう。
政治家の恩恵で少しでもバス代を浮かせ上等な弁当を食べようとする気分がさもしい。
しかもそのことを親玉が知らなかったと答弁するのは国会議員として実に恥ずかしい。
小渕前経済産業相がエリートの育ちとすれば、松島みどり前法相は東京下町出身の
庶民の出身議員だが、盆踊りのウチワに漫画的な松島みどりの肖像画が描かれて
選挙法に触れるというのは小渕氏とはスケールが違うが松島氏は選挙違反でないと
開き直るのもみっともない。肖像画と同じくこれは政治漫画であり日本の国会議員の
質の低下が問われそうだ。自分の住所の選挙区だけに消化不良の気がしてならない。
小渕優子さん、松島みどりさん、この際、国会議員をお辞めなさい。人生には失敗が
付きものです。小さなことなら許されますが議員の根幹に関わる失敗は許されません。
私の拙い経験から言わせて頂ければ、今回の言い訳には人心が離れるばかりですし
自分が惨めになるだけです。人生には潮時があります。才能溢れるお二人ですから
得意分野を充分に発揮されるでしょう。政治家よ。みんな、もっとしっかりして欲しい。