隠居の独り言(1343)

先週の北京でのAPECで、初の日中首脳会談が行われたが、冒頭での習近平主席の
安倍首相に対する態度は異様そのものでホスト役としての立場にある習近平主席の
仏頂面には失礼を超えて滑稽にも見える。まるで子供の喧嘩みたいで大国・中国の
トップとしてお粗末そのものだ。余裕満面の安倍首相の自然体に比べて何と狭量な
人だろうと世界の人々は思っただろう。折角、中国が主催した国際会議の晴れ舞台で
指導者がこれでは情けない。どんなに日本が憎かろうとも、どんなに安倍が嫌いでも
招待した人に失礼ではないか。対して安倍首相は日中首脳会談を要請していたので
多少は杞憂したが、日本の外交もなかなか捨てたものでないと一安心の思いがした。
習近平主席よりも安倍首相のほうが遥かに大人だったからだ。首脳会談をする前に
中国は二つの条件をつけたという。「尖閣の問題を認める」「靖国の参拝はしない」と。
しかし日本側はそれを拒否し、安倍首相は条件無しで互いに胸襟を開きたいと応じた。
これで窮地に立たされたのは中国で合意文書には靖国の「や」の字も入っていないし
領土の「異なる見解」の文面も、けっして尖閣を指していないことも一目瞭然といえる。
中国側にしてみれば面白くない。習近平主席の仏頂面は、こうして生まれたのだろう。
折しも中国の漁船多数が小笠原周辺で貴重なサンゴを盗みに白昼堂々とやってくる。
中国もやっと腰を上げ違法漁船を爆破するとのことだが実行したと未だ聞いていない。
日本もなにも遠慮することはない。日本の領海内の違法行為なのだからここは堂々と
海上自衛隊が出撃し海上から威嚇し空からヘリコプターで急襲し、正当防衛に則って
違法漁船を拿捕すればいい。外務省、防衛省の官僚は何をモタモタしているのか?
これだから日本は外国に舐められる。領土問題は絶対に妥協しないと習近平主席に
首脳会談で言ったのだから遠慮は禁物。今こそ中国の狼藉ぶりを国際社会に向けて
声を大に訴えるべき絶好のチャンスだ。国際社会も人間関係も同じで弱い者に対して
庇ってはくれない。味方になってくれることもない。戦後における日本の謝罪と反省の
繰り返しが、日本人を自虐的にさせ自尊心すら失っている。今回の日中首脳会談を
無駄にさせないためにも小笠原の事件を過小評価してはならない。領土・領海を守る、
自衛隊配備の強化、海上保安官の整備など、日本の防衛、主権国家としての真価が
今ほど問われているときはない。安倍さん。解散などしている場合か!