隠居の独り言(1348)

愈々衆院選、天下分け目の冬の陣が始まったが、経済とりわけ消費税増税の事案は
与野党の論戦などを聞くとして、自分はとりあえず最近の安倍外交について述べたい。
先の北京で開かれたAPECで日中首脳会談が実現したが話題を呼んだのは会談の
内容より握手を交わす両首脳の表情だった。安倍首相は淡々とした様子だったのに
習主席は終始、仏頂面でしかも背後に両国の国旗も置かれないとは実に非礼と思う。
日本は「無礼だ」と反発があり韓国は「日本冷遇」と報じたが、世界の首脳から見れば
日中で、どちらが主導権を握り、どちらが不利な立場であることを理解したに違いない。
中国が執拗に問題提起していた靖国尖閣も一切普及しなかったことは、どうしてか。
外交筋によると事前に中国側が文書で首相の靖国不参拝の確約に拘ったが日本が
「それなら会談しなくてよい」と突っぱねたという。戦後、謝罪と賠償に明け暮れていた
日本外交に一条の光を投げかけたと言っていい。やはり外交は強くなくてはいけない。
韓国の朴槿恵大統領が、しつこく慰安婦問題と言っている。先日、朝日新聞が報道の
あやまちを認め事実関係がはっきりしたのだから無理して首脳会談をすることもない。
関連するものに沖縄問題がある。先だって辺野古市長選挙で基地反対の市長が
当選したが、一地方である辺野古で基地の建設の是非を問われれば反対するのは
当たり前で、国家間の約束事を地方選挙で論戦するのは本来のピントが外れている。
米軍普天間飛行場辺野古移転は17年前の日米合意があるのに何故遅れたのか、
一度は決着が付いているはずなのに政府は県民感情に配慮し、もたもたしているとき
普天間基地の県外、国外移設」を公約に掲げた鳩山由紀夫率いる民主党が政権を
獲得し既定路線だった辺野古移設案は白紙に戻ってしまう。今更、鳩山の無定見を
詰っても詮無いが、着々と辺野古建設を進めないと普天間基地が恒久化されてしまう。
でも沖縄の人も一枚岩でない。普天間飛行場周辺で危険と同居している人達からは
早く辺野古に移転して欲しい。一方辺野古は新しく飛行場が出来るから当然反対する。
こちら立てれば、あちらが立たず。基地に働く雇用や、周辺にもたらす産業も考えよう。
野党は集団的自衛権に反対するが日本一国で近隣諸国からの脅威と防衛の対処の
方針と対案があったら示して欲しい。対案もなくただ単に反対するのは無責任過ぎる。
憲法九条も然りで、日本がどんなに平和を叫んでも、近隣諸国のミサイルの砲身が
日本に向けられている現実は、憲法九条は空文のみで、負け犬の遠吠えに過ぎない。
その辺りも論戦にしたい。内憂外患!与野党ともに日本国のためを考えて欲しい。