隠居の独り言(1349)

今日12月8日は先の第二次大戦の発端となった真珠湾攻撃の日だが今の若者は
日米が戦争したということを知らない若者も多くなっている。これも時も流れだろうか。
学校の歴史の時間を学んだろうか。今の大学生の30%が知らないというから驚きだ。
戦後の日本人がいかに苦労し、今なお後を引いている屈辱感を若者は知ってほしい。
新聞やテレビは、戦争中の嫌な部分、悲惨なことばかりの報道が通例になっているが
世界を相手に戦った信念と勇敢さも知って欲しい。民族の誇りは戦ったという実績だ。
顧みれば、無謀な戦争した要因は歴史を学ばなかった軍部、マスコミ、そして国民だ。
明治に日清・日露の戦争で勝ったがそれは多分に敵失ということによるものだった。
日清戦争は国家ががっぷり組んだ戦争でなく清王朝という中国から見れば異民族の
王朝が始めた戦争であり、多くの中国人(漢民族)には愛国心があるはずなく戦争の
勝ち負けは最初から決まっていた。日露戦争でもロシアのロマノフ王朝の戦いであり
ロシアの兵士の多くは帝政に対して忠誠心に欠け勝てる場面も負けて日本に破れた。
一方の日本は、明治の文明開化で貧乏ながらも軍事・経済などで外国に負けまいと
国民一丸となり国家意識が芽生えた矢先だったので強国に対抗できた幸運があった。
勝ったけれど紙一重の辛勝の事実を国民に正直に伝えなかったのが皆を天狗にした。
日本軍が戦えば必ず勝つという不敗神話が一人歩きして無責任なマスコミも便乗した。
国をあげての理性が失われたのが最大の間違いだった。国民総生産にしても日本の
数十倍のアメリカと戦争し勝てる見込みがどこにあったのか戦争を博打の対象にした。
12月8日といえば同盟国ドイツがロシアとの戦争で苦戦して、その3日前の5日に
モスクワ近郊から退却を開始したニュースの最中に何故日本が戦争を始めたのか?
行き当たりばったりの無計画さに呆れてモノが言えないが、当時のアメリカもドイツが
負け始めたのに同盟国の日本が、まさか戦争を始めるとは考えてもみなかったという。
だからアメリカを始めイギリスもオランダもフランスも油断していた。当然に日本軍が
緒戦では勝てたが、軍部もマスコミも日本軍は絶対に勝てると不敗神話で国民を騙し、
そして国民も納得した。冷静もあったものでない。勢いというのも不思議なものと思う。
自分も阿呆な軍国少年の一人だったし、絶対に信じていた神風は遂に吹かなかった。
そして1945年8/7日に広島に原爆が投下され不敗神話が崩れ、やっと目が覚めた。
だから玉音放送も国民はさほど驚かなかったし僅か一日で魔法が解けたのも頷ける。
「戦争は二度としてはいけない」戦争体験者は言いたい!でも言うは易し、行うは難し。