隠居の独り言(1358)

最近の若い人はマックファンが多いがニュースでマック製品の中に虫一匹が混入して
大騒ぎになり別の報道では金具や何かの骨が出てきて幹部たちが会見で謝っている。
それは食品会社として怠慢であり、そのためお客が激減したのは仕方のないことだが
言いたいのはマックの経営方針というより虫一匹がニュースになる日本人の傲慢さが
何ともやりきれない。虫一匹で文句を言うならマックを食べなければいい。食の安全を
気にするなら安価な外国製食品より多少高価でも日本人が作った食品が安心できる。
以前、中国製の餃子事件をすっかり忘れている消費者に再び警笛が鳴った気がする。
マックが業績を減らそうが潰れようが、それは自業自得で食べ物を扱う会社の責任だ。
それと日本は食料自給率が先進国で、最も低いのに破棄される食品の多さに呆れる。
自分も時々レストランに入るが、客の食べ残しの多い風景には眉をひそめるとともに
日本人の美徳の一つ「もったいない」が、どこへ消えてしまったのか。本当に情けない。
戦後の飢餓の時代を経験した自分には、バッタやイナゴは炒って食べるご馳走だった。
自分は世界を歩いたわけではいがアラブやアフリカに住む人々は文化の違いといえ、
毎日毎食、同じものを食べて暮らすのが普通とされているそうで食べ物にハエが集り
アリが混入しようが、宗教的な習慣なのか、右手で食物を掴んでそのまま食べている。
宗教の理由で食物規制があってイスラム教ではハラルという規制で豚肉は食べない。
牛、羊、鶏の肉も頚動脈を一挙に切って完全に血抜きをしなければ口にしないという。
この規制とともにユダヤ人はエビ、タコ、イカも食べない。そのせいか、みな短命という。
食料と寿命の関係では少なくとも戦前までの日本人は短命の人が多かった気がする。
脚気天然痘、肺病が流行し、20代で亡くなる若者や40代で永遠に旅立つ父親など
この世は別離に満ち溢れていた。戦後の高度成長は経済ばかりでなく医療の進歩や
社会制度自体が変革されたので、今では世界一の寿命を誇る国になったのは有難い。
宗教上の規制もなく、四季の食物にも恵まれ、蛇口を開ければ美味しい水が出てくる。
日本料理は「和食」として世界の無形文化財の名誉を頂戴し、我々は日々食している。
日本人に生まれた幸せ、幸運を今一度噛み締めなくてはならないが、奢りも出てきた。
孫たちはマックが大好きで爺も時々付き合っている。マクドナルド再生に期待したい。