隠居の独り言(1395)

5月は暑い日が続いている。昨日の東京は真夏日で今日も二日連続で暑くなりそうだ。
気象庁の発表では、5月の東京で夏日になるのは例年は5日だそうだが、今年の5月の
夏日は既に19日もあったという。そういえば今年は冬から夏への季節の変動が早く
春が瞬時に過ぎ、まだ五月というのに、夏に咲くアジサイツユクサが咲き始めている。
地球温暖化のせいか春が短くて人も植物も季節感が先走っている感がしてならない。
人類は地球に住んでいる。その人類が地球環境を壊しているのは厳然たる事実だが
といって問題の会議をしても総論賛成各論反対でまとまらないのも自国優先だからだ。
儚い希望だが、世界の人たちが人間としての国家を乗り越えて議論をしてもらいたい。
例えば北京の有害物質PM2・5や黄砂が日本襲来しているが中国に文句を言っても
「よその国の空気が汚れようと木が枯れようとかまっていられない」と返事がくるだろう。
4年前の東日本地震福島原発事故を起こしたので原発存続についての議論をしようと
言っても、世界が「原発に替わるエネルギー資源があるのかね」と言われれば返答に
困ってしまう。化石燃料を火力発電で燃やして地球を汚しているのは誰も知っている。
工場や自動車の排気ガスで北京の空が霞んでいるのも他人事でないのも皆、承知だ。
結果、地球温暖化が急速に進んでいるのも承知の上で、それでも解決できないのは
悲しいかな、人間のエゴ以外の何者でもない。原発事故ひとつとってもメルトダウン
原子力廃棄物を処理し硝子化させ地下深く埋める算段だろうが大丈夫なのだろうか。
しかも世界中で原発が300基以上も稼働中で、原子力船を含めれば数は分からない。
なにしろプルトニュウムpu239の毒性の半減期になるのは2万4千年もかかるという。
地球温暖化の怖さは北極・南極の永久凍土が溶け始めていることで膨大な水の量が
溢れ出し海水面が上昇し、シベリア・カナダの陸地が水びたしになるのは当然のこと、
永久凍土が無くなれば、洋上の低い島やオランダなど水面下の国は無くなってしまう。
現在、永久凍土は地球の陸地の14%を占め、中には深さ1000メートルに及ぶという。
今や凍土が溶け始めているが今後のことは想像つかない。約6500万年前に地球に
巨大な隕石が落ちて、太陽の届かない大量の埃と雲が空を覆い、地球が冷却化して、
恐竜が死滅したというが、人類による地球温暖化はそれに似た破壊活動なのだろう。
人類が破滅するタイムリミットは案外早いかも知れない。