隠居の独り言(1407)

ギリシャが破綻した。お金持ちの中国だって上海株が下落してバブルがパンク寸前だ。
自分の保有する株も下がってヤキモキの毎日だが栄枯盛衰この世の定め、仕方ない。
ギリシャは小さいが連鎖が怖い。世界のどの国だって安心できる国が無くなっている。
財務省は国の借金が前年度より28兆円増え1053兆3572億円となったと発表した。
赤字国債の益々の膨らみは急激に増えた高齢化に伴う社会保障費が加速度を増す。
年金医療に伴う経費が国の収入に追いつかない。早晩、年金制度は破綻するだろう。
と言われても数字が天文学的過ぎて日頃百円、千円単位でやりくりしている庶民には
実感が伴わない。国の今年度の予算は約96兆円だが、収入が約55兆円しかない。
残り42兆円を借金で賄っている。一般家庭に例えれば夫婦で年収550万円なのに
一年間1000万円の生活がしたくて、年間400万の借金を重ねた結果1億530万に
膨らんでしまったという計算になる。普通の家が1億という大金を返済できるだろうか。
人口ピラミッドというグラフがある。ピラミッドというからには富士山の形状が理想だが
日本の場合、壺の形をしている。日本が富士山になるのは22世紀に入ってからだが、
その時日本は栄えているか、それとも亡びたか、それは草葉の陰から見るしかない。
日本も自分より15歳位下、昭和20年→24年生まれ、つまり団塊の世代に生まれた
人達が壺の太い部分を示している形だ。しかし余計なことだがご両親のことを考える。
またあの時代、戦後の貧乏で飢餓なのに、よく子供を作る気になったと不思議に思う。
戦中は産めよ増やせよ。戦後は戦地からの引き揚げで男が急激に増えた。あの時代、
停電は年中行事で夜は家中が真っ暗で他に何の楽しみもなければ夫婦睦みあって
当然に子沢山になる自然現象だろう。それでいて当時は医療や衛生環境もお粗末で
赤子の育つ確率も低く友人も兄弟亡くした者が多く5人産み3人育てば良いとされた。
それでも兄弟は多く、中には二桁の兄弟も希でなかった。自分が勤めた同僚男性は
十男で名前が「末松」君だったし、同僚女性は13番目に生まれ名前が「とめ子」さん。
親には産んだ以上、育てなければならないが、乏しい中でみんなよく育ったものと思う。
その反動からか、みんなよく働き戦後の高度成長時代で貧しさから豊かさを手にした。
そして豊かさを背景に国民等しく衣食住は満足になり、全国津々浦々に道路・鉄道は
完備し、ビルが林立した。そのうえ生活面で医療や年金の充実を画し今に至っている。
それでも人間の煩悩飽き足らず借金してまで贅沢を求めたことが赤字国債の要因だ。
今の生活いつまで続くのか。国家倒産の危機が時間の問題であることに気づきたい。
若い人に言いたいのは将来の年金制度がアテにならない現状で贅沢を戒めることだ。
贅沢とは何も高級なものを買うことでない。今の生活水準を下げても、やっていける
訓練をしておくこと。こつこつと老後のため少しでも財を積むこと。一度の人生の中で
最もお金が掛かり最も不安になるのも年老いてからであり、若いうちには分からない。
こんな分別臭い話は嫌われるが、でも聞いて欲しい。人生設計を若い時に考えねば
悔いを残す。心配は老いてからでは間に合わない。