隠居の独り言(1421)

夏が来れば思い出す。其の十三。自分はもう八十路で人生のゴール目前にきている。
来年の夏の保証はない。戦争体験者が一割を切ったとの統計だが自分もその一割だ。
自分は戦前、戦中、戦後の時代を身に受け、国のあり方を体験してきた一人といえる。
誕生の昭和初め白人優位社会の中の日本は有色人国家の一員として認められたが、
結局、日本は生意気と欧米白人諸国に滅多打ちにされ大戦に負けた高い授業料の
謝罪と賠償の要求と、日本への蔑視は70年という期間が過ぎても収まりそうにない。
同盟国アメリカでさえ戦争末期の原爆投下は未だ正当化であり、戦時中も日本人は
収容所に入れられたが同じ敵国のドイツ人には自由があったのは人種的差別だろう。
戦後、出来た国連の機構も戦争状態のままで今日まで推移している。敵国条項という
第二次世界大戦中に連合国の敵国であった国」という条文も、戦後70年が経っても
未だそのままで戦争状態は終わっていないこと示している。日本やドイツの枢軸国は
国連の経費の負担金だけは多く払わされるが、役員である常任理事国には入れない。
不条理そのものだが戦争に負けるという惨めな現状と感情は国連機構で表している。
年数が過ぎ、戦争に携わった人たちがこの世から完全に消え去るときまで次世代を
待つしかない。勝者も敗者も多くの犠牲と恨みを残しながら、歴史というのは遠ざかる。
人類は実に愚かだがそれでも沢山の失敗を繰り返しながら発展を遂げたのも事実だ。
終わった戦争をいつまでも悔いていても仕方ない。それを脱するために、世界の中の
一員になるために、敗戦後GHQから押し付けられた憲法を改正しなければならない。
改正して世界の中の国家の一人前の資格だろう。そして日本人としての誇りを持てる。
戦争が終わって日本は最終的に憲法改正にいたる戦後の残滓の清算が残っている。
憲法九条で軍隊放棄なのに自衛隊がいる現実は矛盾そのもので、これは憲法でない。
わが国の守りの必要は論外だが戦争と防備の違いをはっきり示さなければならない。
幸いにも改憲を政治目的とする与党は多くの議席を持っている。連立与党や改憲
前向きの政党と連携すれば、改憲に要する三分の二を優に凌駕する。大事なことは
大きな理念のもと目標を実行することではないか。戦争を知らない頭でっかちだけの
議員は放っておこう。欧米各國は改憲に好意的でありA・A諸国も親日的傾向が強く、
今が千載一遇のチャンスが到来している。与党が結束して国民に訴え現実の目標は
自衛権の確立と戦後GHQから与えられた恥辱憲法を脱却しなければ一人前でない。
自分に残された時間はいくらもないが、あの惨めな敗戦の決着として憲法改正だけは、
ぜひとも目の黒いうちに見届けたい。生涯に亘り戦争は、夏が来れば思い出すだろう。
日本人に生まれて本当に良かった。