隠居の独り言(1492)

我々一般庶民はお金の桁や単位が増えれば増えるほど実感が沸かなくなってしまう。
来年度から消費税を8%から10%にするのかしないのかを安部総理もはっきりしない。
熊本の地震が景気にどうのよう反映するか予想つかないが判断を誤らないでほしい。
復興の資金も時間も見当もつかない。政府の経済指標が最も難しいところにきている。
現在の日本の国債残高は、2015年末時点で1044兆5904億円になったと発表された。
国債残高が天文学的というけれど具体的に調べてみた。1万円札の新しい札、つまり
新券で100万円分の厚さはちょうど1cmになる。これを重ねると10cmで1000万円。
1mで1億円。富士山の高さが3776mだから3776億円。それでも1兆円にも達しない。
国債発行額は1万円札で富士山3000個並べる計算になる。この天文学的借金返済を
どうすればいいか。政治家も国民も知っていても知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいる。
昔「富士の山ほどお金を貯めて裾から5円ずつ使いたい」という江戸都都逸があった。
誰がこんなに使ってしまったのか。他でもない我々が長年かけ使ってしまった結果で
公共事業、年金・医療の充実、文教科学、地方交付税、防衛費など主たるものだが
国債利払いが歳出の25%というから異常値で何とかしないと次の世代に申し訳ない。
そこで来年は10%に引き上げのつもりが不景気で頓挫しそうで何とも言いようがなく
引き上げれば景気の足踏みだが上げないとしても先の見通しが無い。少子高齢化
若い人の納める税金にあたる歳入が益々減り、高齢者に対する社会保障の歳出が
益々増えていく悪循環に陥っている。普通の家庭ならとうに破産だが、政治家諸君は
当選のために美辞麗句を言い、借金の深刻さを訴える人のいないのは国家の悲劇だ。
かつて松下幸之助は独自の論で、国家予算を使い切らずに毎年1割ずつ積みたてて
やがて返済どころか収益分配もできるようになるという。残念ながら実現しなかったが
一流の経営者ならではの発想で、果たして毎年1割ずつのカットができたかどうか、
国民一人一人が今までを戒め、むしろ政治家の襟を正す意見をしなければならない。