隠居の独り言(1584)

東京都議会に豊洲移転問題に関して石原慎太郎氏を呼んで開かれた百条委員会なるものを
テレビで見たが、84歳になる石原氏は前置きとして「自分は2か月前に脳梗塞を患って脳の
海馬という部分が動かなくなっているので記憶も定かでない」との弁明だったが、脳の海馬が
働かないというのは既にボケていることであり石原氏は始めから答弁の予防線を張っている。
そのためか普通3時間の喚問時間を1時間にしたが僅かの時間で解明できるはずなく議会も
何のための百条委員会なのか、それなら石原氏に何か条でも質問書を送って文書で返答の
方法もあったのに、これでは見世物ではないか。夏の都議選を前に芝居的な感じがしてくる。
石原慎太郎といえば、誰もが周知の通り、一橋大学在学中の昭和31年に「太陽の季節」で
芥川賞を受賞し文壇デビューを果たし作家として名を馳せ、政治家に転じ衆議院議員を9期、
その後、都知事を4代務めたツワモノだが、その彼も、ある程度の年齢になればボケるのは
自然現象といえる。自分も石原氏と同年だが昨今は物忘れがひどく自然の変化の運命だろう。
日本人の寿命が延びたが世の中は、まだ老齢世代をいかに扱うか未だ研究もされていない。
石原氏は自宅を出るとき、記者に心境を聞かれて「天気晴朗なれど波高し」の日本海海戦
有名なセリフを言って「君たちは教養が無いから分からないだろう」と吐き捨てたが彼独特の
高慢な態度は以前なら批判されるだろうが、老化現象の一つなのだから、病気じゃ仕方ない。
どちらにしても豊洲移転の結論を先延ばししてはならない。小池知事の気持ちも分かるけど
豊洲の地下水を使うわけでないので素人の意見だが、移転を決める時期が迫っている。