上野の桜

harimaya2017-03-27

東京に桜の開花宣言が出され、上野に出かけた。
桜はまだ一分咲きなのに人出は完全に満開状態。
昨日の氷雨で桜の蕾もきっと震えているのだろう。
古典落語にお花見が舞台の「長屋の花見」がある。
或る春の朝、貧乏長屋の一同が大家に呼ばれた。
みんなどうせ家賃の催促と恐る恐る大家に行くと
春の盛りだし、みんなで上野の山に花見に行こう。
ところが酒は番茶、卵焼きと蒲鉾は、沢庵と大根。
一同ぼやきながら上野へ、大家の命令で一句詠んだ「長屋中、歯を食いしばる花見かな」
大家がどうだ、灘の生一本だ。へぇ宇治かと思いやした。口当たりはどうだ。渋口ですなぁ。
湯呑をじっとみつめ、大家さん近々に長屋にいいことがありますよ。そんなこと分かるかい。
はい、酒柱が立ちました。江戸の昔も、平成の現代も、上野の山は桜の名所に変わらない。