隠居の独り言(1604)

暑い八月になると否応なく敗戦の昭和20年の夏が蘇る。小学6年生だった自分は疎開先の
福島県白河の風景が目に浮かぶ。家の傍が川だったので夜になると沢山の蛍が飛んでいた。
戦時中の夜は灯火管制だったので蛍の光が余計に美しく光っていた。蛍を蚊帳の中に入れ
楽しんだのを昨夜のように思い出す。平和な蛍の思い出をよそに8月に原爆が広島、長崎に
投下され、瀕死の日本に追い打ちをかけるようにソ連が一方的に日ソ中立条約を破って参戦。
満州に攻め入って悪行の限りを尽し、そのうえ60万人以上にのぼる日本人を「異国の丘」に
強制拉致して6万人が死んだ。記録によれば、囚われの拉致貨車は北に向かって一望千里、
鳥一匹飛ばない大空の下にバイカル湖が広がっていたという。ソ連兵の話や態度は欺瞞と
悪意に満ちたものでロシアの収容所を転々と数年間に亘り少ない食料で強制労働が続いた。
恐るべき倦怠と絶望的な空虚のなかで拠り所は祖国日本の風景と家族の思いだったという。
ソ連(ロシア)による許し難き愚行は永久に消えるものでないが未だ謝罪の弁もないどころか
日本古来の領土北方四島も返そうとしない。騙され続けられてきたが、どこまで騙されるのか、
現在は日露で経済、領土で交渉が進んでいる。しかしロシアは経済の進展は希望しているが
領土に関しては譲る気が無いようだ。交渉事と言うのはお互いギブアンドテイクが基本だから
相手の策に嵌るだけでは能が無い。いい加減ロシアとの交渉は止めにした方がいいと思う。
断交して困るのは日本でなくロシアだから・