隠居の独り言 11

東北地方も梅雨入りして日本列島がすっぽり雨の季節になった。今年は、いずれの地方も平年に比べ梅雨は早いらしい。梅雨というと憂鬱、気が重いとかジメジメ、ムシムシとか、四季で、あまり良いイメージはないが呼び名を調べると入梅、長雨、五月雨、樹雨、青葉雨、青梅雨、走り梅雨、迎え梅雨、小糠雨、卯の花腐し・いい言葉が揃っている。五月は暑い、寒いが交互で天候が落ち着かなかったが梅雨に入って、やっと天候も気持ちも収まった気がする。歳取ったせいか、ボクは梅雨前半の気温低めが好きで湿り気の空気は喉にも快適で、趣味のギター弾き語りも声も滑らかで、ギターの音色も、艶が出ている気がする。秋の発表会に向け練習するにも良い季節になってきた。それはともかく、雨に濡れて花々が生き生きとしている。アジサイ、ショウブ、スイレン、タイサンボク、ツユクサ等、しっとり濡れた花に艶やかな女の美しさを連想するのは季節が織りなす幻か。梅雨時は女性が綺麗になるという。湿った空気が素肌を潤すからか、それとも薄着の姿がまぶしく映るからなのか「夜目・遠目・笠の内」の言葉は実際よりも良く見える例えだが、雨傘をさす女は美しい。遣らずの雨、降りみ降らずみ、浮名もうけ、後朝の別れ、ねんごろ、濡場、イモリの黒焼き、首尾をする、岡惚れ、別れ上手、愛想づかし・粋な言葉も今は聞かれないが便利な世間になった反面、失ったのも多い現代と思う。