隠居の独り言 31

「ヨイショ」「ドッコラショ」の掛け声で老化が始まる。誰も齢とともに体の働きがにぶくなるのは仕方ない。でも始まる時期や表れに個人差があるのは事実で、同じ年寄りでも、一方では顔や肌のシワも少なくて動作もキビキビして姿勢のしっかりした人もいれば、一方で顔の皺が滅法増え大義そうに歩く人もいる。実の年齢より身体年齢が大きく違うのはどうしてか?ひとくちに人は高齢者といっても65歳くらいまでは中高年と体は大して変わらない。その年齢辺りから老化現象の変りかたが人によって大きく違ってくる。老後における分かれ目は身体面と精神面の二つ・・身体面で若い時からの食事、飲酒の量が同じなら老化による内臓の消化器、呼吸器、循環器などが付いていけずガン、糖尿、高血圧に罹りやすくなる。消化器の老化は消化不良、胃腸病、便秘等になり呼吸器の老化は肺気腫など、息切れしやすくなる。循環器の老化は動脈硬化や高血圧の原因になる。歳を取ったら、美酒美食、贅沢三昧で、楽しながら長生きをしたいものだがそう簡単に問屋は卸さない。心身ともに健康で溌溂と老後を過ごせるためには自制の心と我慢が必要になるのは言うまでもない。とくに男は老い方が下手だという。女性に比べて普段から近所付き合いも無く、定年で会社を辞め話す相手も減り、性格的にも男は寡黙が多いが、孤独と寡黙が老いの心を一挙に加速してしまう。老人の頑固になる、怒りっぽくなる、偏屈になる・肉体、精神面での老化現象は後戻りが出来ない。それらの理性の低下は脳の前頭葉の老化による萎縮が大きく関っているという。防ぐための方策は,新しいことに挑戦しハラハラ、ドキドキ、ワクワクの感情を沸き立たせ前頭葉を刺激し、いつも新しいロマンの気持ちを保ち続けることが最適だという。粋で格好良く、心意気で人生を全うしたい!