隠居の独り言 49

最近はギターの弾き語りでシャンソンに凝って歌っている。シャンソンは音楽の宝石のようで「うたごころ」に感動する。「人がその手の中に20歳という年や約束された未来という富を持つとき、恋がボクたちの上に優しく傾けているとき・・」シャルル・アズナヴールのイザベルを聞いて涙が出るのは彼の激しく繊細で、もだえるように歌いかたもさることながら、帰り来ぬ青春の取り返しがつかない悔恨が胸をよぎるからでアズナヴールもこの曲を作った時は中年になってからだった。かつての森田公一とトップギャランのヒット作「青春時代」も「後からほのぼの、思うもの」取り返しがつかないから青春で悔恨がとめどなく繰り返されるのも帰らぬ感傷が付きまとう。人生にも四季がある。幼年期、青春期、壮年期、老年期で、他の動物と違うのは繁殖期が終わってからの生きる期間が長い事だろう。齢も男と女の思いの少しのズレがあるようで、女性に年齢を尋ねると失礼という。そこが男には分からない。女性はいつまでも年齢より若く見せたい望みがあるのだろう。髪を染める、エステに通う、化粧をする、小物や宝石で飾る・それはとてもいいことで世の中を明るくしてくれるのが嬉しい。反対に男性は若く見えると、甘く評価されるので考えものだ。男は内容、女は容姿というのが生活に対する気持ちの基で男の社会人としての資格は家族を養っていかなくてならない。女の社会人としての資格は家族を守っていかなくてならない。互いに責任感あってこそ家内安全、家庭円満が待っている。青春時代に男は女に愛を打ち明ける。それは本能であって、大人の出発点だが青春は悔いが残っても帰ってこないから悶々とした日は一見無駄そうな時間もそれが肥やしとなって、歳を重ね、悔恨の壁を乗り越えてこそ味が出てくる。