隠居の独り言 51  

夏がくれば昭和20年の暑い日々と、戦争の惨めさが蘇る。空襲の恐怖と飢餓状態で日本が負けると子供心にも感じた。ポツダム宣言は、1945年7月26日にアメリカ合衆国大統領、イギリス首相、中華民国主席の名においてに対して発された、日本軍の無条件降伏を求めた全13か条から成る宣言だが、米英中の三国参加国でソ連はその後参戦してから加わった。連合軍が日本に無条件降伏を迫ったポツダム宣言は20年7月に発表されたが、すぐにも受けいれていれば被害はそこまでで、広島・長崎の原爆投下も無かったし、あの卑劣極まりないソ連の対日参戦もありえなかった。僅か、半月後の8月15日の終戦までのロスタイムは軍部の強硬派と政治家の和平派との不毛な話合いの小田原評定が悲惨な被害を大きくし無残な降伏だった。歴史にイフは無いけれど、リーダーたちの責任は重い。敗戦とは惨めなものだ。家は空襲で焼かれ、財を失くし、多くの人が殺されても、負傷しても、一切の保証もなく、泣き寝入りしかないのが現状で耐えざるを得なかった。片や同じ戦争でも勝った側のアメリカでは一般生活に何の変化なく衣食住は満ち足り映画や娯楽も全盛で、夜のクラブではジャズが流れ人々は楽しく踊っていた。勝った側と負けた側の雲泥の差を知った思いがした。人や国家が生存競争する限り戦争は絶えないだろう。戦争の反省は自虐的でなく今後いかに日本が強くなり良い友人を持つことだ。あの戦争で日本が勝ち組なら惨めさは無い。二度と敗戦の轍を踏みたくないのなら国家を強く、良き友と付き合わねば・・